香味豊かな地酒造りへ 有志が田植え 東和・河東誉【花巻】

河東誉の原料となるひとめぼれの苗を手植えする参加者

 花巻市東和町土沢の猿舘酒店(猿舘祐子店主)が販売するオリジナルブランド日本酒「河東誉(かとうのほまれ)」の原材料の田植えは19日、同町鷹巣堂地内の水田で行われた。香味豊かな地酒となることを願い、有志10人がひとめぼれの苗を丁寧に植え付けた。

 戦中まで同店で製造、販売されていた河東誉は、猿舘店主(66)が主導する復活プロジェクトにより2023年に再販され、限定100本が完売した。

 酒米ではなく、減農薬栽培のひとめぼれを原料にしているのが特徴で、昨季は仕込み量をほぼ倍に増やし、限定販売している。猿舘店主によると「リピーターが増えており、知り合いに紹介したり、お土産にしたりして認知度が高まっている。飲みやすいので女性にも評判がいい」という。

 田植えはプロジェクトに賛同する薄衣忠孝さん(71)の広さ7アールの水田で行われ、米作りの説明に続いて一部は手植えで作業。10月上旬に稲刈りし、来年2月に新酒が出来上がる見通しで、薄衣さんは「今年は天候に恵まれ、苗の生育も田んぼの状況も順調。良い米ができそうだ」と豊かな実りを期待した。

© 岩手日日新聞社