郷土の歌人 業績知って 板宮清治さん追悼展 金ケ崎町立図書館

金ケ崎町立図書館で開かれている追悼展「ありがとう 板宮清治さん」

 2005年に発表した歌集「杖(つえ)」で、最も優れた歌集に贈られる日本歌人クラブ賞に県人として初めて輝き、全国に名を知られた金ケ崎町出身の歌人故板宮清治さんの追悼展「ありがとう 板宮清治さん」は、同町西根西地蔵野の町立図書館で開かれている。生前に発刊された歌集6冊などを、遺族から借り受けた肖像写真の下に並べて館内で閲覧できるようにしたほか、豪放磊落(らいらく)といわれた人柄を伝える紹介文、略歴を掲示している。

 板宮さんは農家の長男として生まれ、1953年に県立水沢農業高校を卒業後、家業に従事。宮城県大河原町出身の歌人佐藤佐太郎(09~87年)の歌集「帰潮」に感銘を受け、53年から佐藤に師事したことで、農村に暮らしながらも洗練された感覚を養ったとされる。

 歌集はいずれも持ち出し禁止で、館内でのみ閲覧できる。館内には他にも寄贈を受けた板宮さんの蔵書をまとめた特設の書架「板宮文庫」があり、併せて案内している。

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