出土品が映す中世の磐井 せんまや街角資料館企画展 仏具、陶器など公開

せんまや街角資料館の企画展「磐井の中世を探る」で公開されている仏具の磬の破片(奥州市衣川出土)。参考品(奥)のようにつるして音を鳴らした

 一関市千厩町のせんまや街角資料館の企画展「一関の文化財VOL・4 磐井の中世を探る 伝世・採集・出土資料から」は、同館で開かれている。同市と周辺地域から出土した仏具や陶器を展示し、平泉文化との関わりを含めた当地の中世の様子を伝えている。7月7日まで。

 2024年度企画展の第1弾で、市教委と共催。骨寺村荘園遺跡(同市厳美町)を構成する駒形根神社から23年度に出土した仏具の磬(けい)と、同市千厩町内伝世の陶器の壺(つぼ)がともに中世の物とみられることなどから、平安~鎌倉時代をテーマに資料を集めた。

 展示資料のうち磬は音を鳴らす仏具で、県内では鉄、銅製計7点が出土、発見されており、この全点を実物または複製、写真で紹介。実物は北館・伝大手門遺跡(奥州市衣川)で出土した破片などが並ぶ。平泉の中尊寺、毛越寺と同じ天台宗をはじめとする密教系宗派で使われたことから、平泉の影響をうかがうことができる。

 開館時間は午前9時~午後4時30分。入館無料。休館日は月曜と毎月最終金曜。

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