【今日の読み切り】「皇の器」王座はひとつ――双子の皇子をめぐる数奇な運命

by 緑里孝行(クラフル)

【皇の器】

著者:織部匡

集英社

遠い昔「仁」という国に双子の皇子が生まれた。兄だが馬もうまく乗りこなせない第一皇子姫令ゲツと、剣術や弓術など、なんでもこなせる第二皇子姫セイ祥。瓜2つの見た目をした兄弟の、数奇な運命の物語が展開していく。

本作「皇の器」は、織部匡氏による短編マンガ。「少年ジャンプ+」にて2021年10月より配信されている。

兄弟で弟の方が、兄よりも勉強や運動ができて、しかも人気者という設定はマンガだけでなく、小説や劇などでも見かける。兄の方が、つい卑屈になる場合も多い。見た目が瓜二つの双子ならばなおさらそんな気持ちになるのも納得できる。

本作では、弟が兄を慕っており、兄の良さを心から伝えるけれども、自己肯定感の低さから受け止め切れない。そんな様子を見ると切なくなる。歴史上、きっと朝廷でも繰り広げられたような、政権争いを想像しながら読める作品となっている。

【あらすじ】

遠い昔「仁」という国に生まれた双子の皇子。2人をめぐる数奇な運命。

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