【インド】エアウォーター、北部ガス充塡工場が稼働[資源]

4月に稼働したファリダバード充塡工場。ローリー輸送中継基地を兼ねる(エア・ウォーター提供)

産業用ガス大手のエア・ウォーターは、インド北部デリー首都圏(NCR)のハリヤナ州ファリダバード近郊に新設した、シリンダーガス充塡(じゅうてん)工場が稼働したと発表した。北部での工場開設は初。現地でのサプライチェーン(供給網)を確立しつつ、新規顧客の獲得を目指す。

4月に稼働を開始した。ファリダバード工場は敷地面積が約7,000平方メートル、充塡工場面積が約4,400平方メートル。これまでは、東部ジャルカンド州ジャムシェドプルに置く製造拠点からの長距離輸送で北部の顧客に産業ガスを供給してきたが、ファリダバードへの拠点設置により配送コストの合理化を図る。エア・ウォーターの担当者はNNAの取材に対し、「道路の寸断といった問題による北部への供給不安があったが、改善に向かう」とコメントした。

同社は現在、東部のドゥルガプルで鉄鋼向けオンサイトガス工場、南部チェンナイで自社の液化ガス製造工場の建設をそれぞれ進めている。ドゥルガプル工場は2025年10月、チェンナイ工場は24年10月に稼働予定だ。北部と西部への製造工場の設置については、「需要に対応できるめどがつけば、設置も検討していく」と述べた。特に商都ムンバイがある西部は空白地帯で、これから半導体産業が発展した場合、プラント確保の必要性が増すとしている。

エア・ウォーターはインドを重点戦略エリアに捉えており、海外事業のうちインドの売上高は北米に次ぐ規模となっている。

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