【ミャンマー】ラカイン州の物価上昇、州都で前年比2倍に[経済]

ミャンマーに関する国連プロジェクト「ミャンマー・インフォメーション・マネジメント・ユニット(MIMU)」によると、西部ラカイン州では4月も物価高騰が続いた。国軍に対し攻勢をかける少数民族武装勢力「アラカン軍(AA)」の激しい武力衝突の影響で主要道路が封鎖され、食料などの生活必需品の輸送に影響が出た。食料や衛生用品など生活必需品29品目の合計金額「バスケット価格」は、州都シットウェで4月、前年同月比で2倍近くに上昇。前月比でも9%増と、物価の右肩上がりが止まらない。

バスケット価格はシットウェ以外でも、ミンビャが前月比53%増、チャウトーが16%と大きく上昇した。

各商品価格の中央値は、穀物では高級米が前月比8%、低級米が4%高。豆が25%高と大きく上昇した。野菜は2カ月連続で大幅上昇となった。ナスと青トウガラシが共に36%高、ササゲが18%高だった。肉・魚では鮮魚が20%高、鶏肉が17%高だった。

衛生用品では洗剤と生理用品が12~13%高。その他の必需品では、雨期入りを前にした住宅補修の需要からビニールシートの価格が22%上昇した。蚊帳やタオルも13%値上がりした。

MIMUは、衛生用品の大幅な値上げがここ数カ月続いているとして、雨期の開始に伴う感染症増加の可能性に懸念を示している。一方、ラカイン州とミャンマー中央部を結ぶ道路の通行が再開されたとの報告があったため、5月には各商品の価格が低下すると予測した。

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