大阪府羽曳野市/新本庁舎基本設計など業務のプロポ、隈研吾事務所の提案公表

大阪府羽曳野市は「羽曳野市本庁舎建替整備基本設計及び実施設計監修業務」の委託先を決める公募型プロポーザルで、最優秀提案事業者に選んだ隈研吾建築都市設計事務所の提案を公表した。新庁舎で「『古墳』と『まち』を『公園』がつなげる、開かれた『みどり』の市役所」の実現を目指す。古墳を望むテラスを設け、市民生活と観光の拠点にする。各階層をセットバックさせて豊かな空間をつくる。制振装置を配置する構造なども検討。Nearly ZEB以上の取得や、大阪・関西万博の大屋根リングの木材活用も提案した。
提案によると、1階にはロビーや待合ホール、ショップ・カフェ、執務室など、2階には市民ギャラリーや執務室など、3階には市長室や防災備蓄倉庫、大会議室などを配置。4階は執務室、5階は議会エリアとし、6階には多目的室や歴史展示ギャラリー、傍聴席、市民ラウンジなどを、7階にはカフェなどを配し、屋上は古墳を望めるテラスの配置を提示。
実施設計・施工一括(DB)方式を導入するため、基本設計業務開始から3カ月の間に与条件整理や設計検討を行い、7カ月で基本設計をまとめる方針だ。
プレキャスト(PCa)化で高品質な施工と省人化を図る。
ライフ・サイクル・コストは、構造フレームの合理化やPCa化、太陽光発電と高断熱ガラスの採用などで3割低減を目指していく。
市は延べ面積約1万1000平方メートルの新本庁舎を市役所別館隣接地に設けるとともに、別館(延べ約4770平方メートル)も改修する計画。基本設計・実施設計監修業務期間は2026年3月31日まで。DB事業者を選ぶプロポーザルは11月に公告する予定だ。

© 日刊建設工業新聞社