大分県/別府港再編整備(別府市)にBTO、対話調査などで整備構想具体化へ

大分県は別府港(別府市)の再編整備事業のうち、県が主体となる公共交通ターミナルや集客施設の整備をBTO(建設・移管・運営)方式のPFIで行う方針を固めた。2023年度にPFI導入可能性調査を実施し、PFI導入の有効性を確認。今後、民間事業者へのマーケットサウンディング(対話型市場調査)や、官民連携による港湾整備の先行事例の調査を進め、整備構想を具体化させる。
別府港ではフェリーの大型化への対応やにぎわい創出を目指し、石垣地区の大規模な岸壁の増深、泊地の浚渫、航路の拡幅などが計画されている。関連して約6ヘクタールをPFI事業区域に設定し、旅客上屋を再編して交通ターミナルを整備。集客施設の観光交流拠点も計画している。
県は17年度にPFI導入可能性調査を行い、BTO方式のPFIで検討を進める方針を固めたが、コロナ禍で検討を一時中断した。
集客施設に対する社会価値の変化などを考慮し、23年度に再び導入可能性調査に踏み切った。調査では引き続き、民間事業者の参画意欲の高さや、VFM(バリュー・フォー・マネー)の有効性などを確認した。
港湾整備は国が水深8メートル、延長250メートルの岸壁整備を担当。県が隣接する水深5・5メートルの岸壁整備、一部のPFI事業用地の造成などを行う。国の工事は事業化されておらず、県担当の事業も含めて整備スケジュールは未定。県は国に対し、早期事業化を求めている。
県は今後、5日に完成式典が開かれた天保山客船ターミナルの建て替え事業(大阪市港区)、工事が計画されている長崎港松が枝地区国際ターミナル整備事業(長崎市)など、BTO方式のPFIによる港湾整備の先行事例を調査。建設会社やデベロッパーら事業者へのヒアリングも継続的に行い、整備イメージの検討を深める。

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