「最も必要な時に決めた」「完璧な位置取り」 最終節で同点弾の冨安健洋に多くの現地メディアが最高評価!「攻守両面で信頼できる存在」

現地時間5月19日に行なわれたプレミアリーグ最終節で、アーセナルは終了間際の89分にカイ・ハバーツが決勝ゴールを決めてエバートンを2-1で下した。しかし、同時刻開催の試合で首位マンチェスター・シティがウェストハムに3-1の勝利を挙げたことにより、勝点2の僅差で20年ぶりの優勝を逃している。

奇跡を期待して臨んだ本拠地エミレーツ・スタジアムでの最終戦、勝利だけが求められる「ガンナーズ」は40分にFKからアウェーチームに先制を許してしまうが、その3分後、マルティン・ウーデゴーのマイナスのクロスを右足のダイレクトで正確にゴール左隅に突き刺したのが、左SBの冨安健洋だった。

最適なタイミングでペナルティーエリア内へ進入し、貴重な同点ゴールを決めた背番号18。昨年10月28日の10節シェフィールド・ユナイテッド戦以来となる今季リーグ2得点目を、自身のSNSでゴール場面の映像を公開して喜びを表わしたが、クラブは公式サイトで「ウーデゴーがゴールラインまでボールを運び、冨安が走り込むのを誘うようにボールを折り返した。これに対し、日本人選手は冷静に見事なフィニッシュを決め、我々を同点に導いた」と伝えている。
現地メディアの報道を見ると、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は「ウーデゴーのカットバックから冨安がスマートなフィニッシュ」と綴って、10点満点の採点ではこのコンビに両チーム最高の「8」を付与(マン・オブ・ザ・マッチはウーデゴー)。一方、日刊紙『Mirror』は、「役割が逆転したゴール」として、以下のようにこのプレーを振り返った。

「アーセナルのファンは、ウーデゴーがクラブに加入して以来、カットバックからゴールを決めるのを見慣れているが、今回は彼がアシスト役となった。ノルウェー人選手が右サイドでマーカーをかわして見事なクロスを送ると、DFの冨安が遅れて到着し、見事にフィニッシュ。冨安は前半を通じて何度もチャンスで試みており、ついにゴールを決めることができたことで、明らかに満足しているだろう」『Daily Mail』紙の採点は単独最高の「8」で、「見事なゴールを決めるとともに、守備でも相手の攻撃を確実に封じ込めた。アーセナルの同点劇の予想外の立役者となり、再び印象的なプレーを披露」と称賛。『Evening Standard』紙も同採点(チーム最高タイ)とし、「左SBからの積極的な攻撃で冷静にゴールを決め、アーセナルの最初のチャンスではヘディングで枠を外した。最後の30分間はCBに移動している」と、ポジティブに寸評を綴っている。

続いてスポーツ専門サイト『GIVEMESPORT』は、「ゴールを決めるのに完璧な位置取り。アーセナルのベストDFであり、ガブリエウ・マガリャンイスが退場(59分)した後も左サイドと中央で安定した守備を見せた」として採点はチーム2番目の「7」を与え、『sportskeeda』は「8」の最高タイという評価を下すとともに、「冨安は予想外の得点者となり、アーセナルが最も必要とした時にゴールを決めた」と称え、以下のように続けた。

「彼は5回のデュエルに勝ち、4回のボール奪取、2回のインターセプト、3回のクリアを記録。守備と攻撃の両面で信頼できる存在であり、最初に大きなチャンスを逃したものの、前半終了間際に素晴らしいフィニッシュでアーセナルを同点に導いた」
サッカー専門サイト『football.london』は、「予想外にも、アーセナルの最も脅威となる攻撃の起点のひとつとなった。ゴールを決め、さらに他にも得点のチャンスを迎えた。試合終盤には守備面でその多才さを再び披露している」として、「8」の採点は単独最高のものとなっている。

そしてアーセナルのクラブ専門サイト『PAIN IN THE ARSENAL』の採点は「7.5」で、「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」に冨安を選定し、「多才なDFがあまり目立たない前半を過ごした後、珍しいゴールでアーセナルを同点に導いた。ガブリエウが交代した後、中央のポジションに移った」と、彼の90分間を総括した。

構成●THE DIGEST編集部

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