Apple WatchとiPhoneでゴルフがもっと上手くなる! ゴルフ初心者が新機能対応のアプリで試してみた

by 松本 和大

「Apple Watchはゴルフの完璧なパートナー(Apple Watch is the perfect golfing companion)」――これは、米アップル(Apple)が15日に掲出したプレスリリースのタイトルだ。

watchOS 10で登場した「高周波モーションAPI」により、Apple Watchが備える加速度計やジャイロスコープを活用し、速度・加速度の急激な変化を検出できるようになった。このAPIをゴルフアプリの開発者が用いることで、より精緻なスイング計測などを利用者に提供できる。

日本国内向けのアプリでは、QONCEPT(コンセプト)による「Golfboy」が、今週から新機能を提供する予定。そこで今回、10年近く前に一度コースに出たっきりの“ほぼゴルフ初心者”である筆者が、Golfboyの機能を試してみた。

Golfboyについて

Golfboyは、画像処理専門の研究開発型ベンチャー企業であるQONCEPT(コンセプト)が開発したiPhone向けアプリ。App Storeで提供されており、一部の機能は無料で利用できる。すべての機能を利用するには、月額500円のサブスクリプションへの加入が必要となる。

今回筆者が試したのは、「フォームモード」「ショットモード」の2つ。9番アイアンを使い、最後に行った日すら覚えていない打ちっぱなしに挑んだ。

利用したのはiPhone 15。また、5900円で販売されているGolfboy専用三脚「GBPod」を用いた。Golfboyの利用にあたってGBPodは必須ではないが、手軽な高さ設定など、Golfboyの機能に合わせた仕様となっている。

三脚は「GBPod」を使用した

フォームモードと新機能

フォームモードは文字通り、自分自身のスイングフォームを映像で確認するためのモード。スイング動画やモーション画像、パノラマ画像が自動保存され、過去のデータと比較することもできる。対応しているのは、iPhone SE(第2世代)やiPhone 11以降の端末。

利用するときは、スイング場所の後方にiPhoneを持ってきて、インカメラで映像を撮影するしくみ。実際に撮影された映像は、0.1倍~1.0倍まで、0.1倍刻みの再生速度を自由に選べる。

また、映像を停止した状態で「アドレス」「トップ」「インパクト」「フィニッシュ」のアイコンをタップするとその瞬間をすぐチェックできたり、ガイド線などを表示させながら映像を再生できたり、さまざまなニーズに応える機能が揃っている印象だ。

今週から提供される新機能は、Apple Watch向けの新たなAPIを活用することにより、腕の移動量や動きを捉えてクラブのヘッドスピードを算出するというもの。GolfboyとApple Watchを併用することで、最高速度や速度の変化量をチェックできる。

実際に体験してみて、打った直後に手元のApple Watchでヘッドスピードがわかるのは便利だと感じた。

クラブのヘッドスピード計測
ヘッドスピードの表示を映像に重ねて再生することもできる

また、スイングの開始・終了がApple Watch側で自動検出され、振動によるフィードバックをリアルタイムで受け取れるようになる。たとえばクラブを持たない状態での計測にも対応し、自宅でのスイング改善などに役立つという。

Apple Watchには「アドレス待機中」の表示。ここからスイングを開始すると、それをApple Watchが自動検出する

ショットモード

ショットモードは、ボールやクラブの速度、飛距離、打出方向などを測定するモード。まず、ボールの上にiPhoneのアウトカメラが位置するようにして三脚をセットする。このとき、先述の三脚「GBPod」なら、高さを簡単に合わせられる。

正しくセットできたら、あとは好きなタイミングで打っていくだけで、ショットのデータが記録されていく。複数のショットのデータをまとめてくれる「レポート」機能も用意されている。

レポート機能

また、インパクト前後のクラブの軌道の合成画像が自動生成されるため、ヘッドの向きやクラブの軌道を確認しやすい。

スマホアプリの活用で、ゴルフはもっと楽しくなるかも

ゴルフにほとんどなじみのない筆者ですら「すごい」と思えたGolfboyの機能。ゴルフが好きな人ならきっと、その魅力をもっと強く感じられるだろう。

Golfboyは主に練習時の利用を想定しているが、たとえばコースに出るときなどは、アプリ「ゴルフな日Su」を活用できる。

ゴルフな日Suは、GOLFな日が提供するアプリ。基本的には、月額360円のサブスクリプションに登録して使うことになる。「GPS距離測定」「自動ホール切替」など、ゴルフナビとして多彩な機能を備えている。

こうしたアプリを使えば、ゴルフの楽しさが増すだけではなく、上達への近道になるかもしれない。

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