ポケカ大人気の陰で…中古ソフトがプレミア化!ゲームボーイ『ポケモンカードGB』の古びない面白さ

ゲームボーイ用ソフト『ポケモンカードGB』(ふたまん+編集部撮影)

1996年に発売されて以来、今もなお世界中で多くのプレイヤーたちに愛されている“ポケカ”こと『ポケモンカードゲーム』。今年2月には、そんなポケカの遊びをスマホアプリ化した『Pokemon Trading Card Game Pocket』が発表され、大いに話題を呼んだ。

しかし、実はこれまでにも2度、ポケカを題材にしたゲーム作品が登場しているのをご存じだろうか。そこで、ゲームボーイ時代にファンをうならせた、伝説的な作品たちについて振り返っていこう。

■時代を経てもなお色褪せない伝説的な一作!『ポケモンカードGB』

ポケモンカードゲームが初めて発売された1996年から2年後の1998年、ゲームボーイカラー・ゲームボーイ用ソフト『ポケモンカードGB』が発売されることとなった。

本作ではポケモンとポケカが大好きな主人公が、“伝説のポケモンカード”の噂を耳にしたことをきっかけにカードバトルの世界に足を踏み入れ、ポケモンカード界の頂点に立つ“グランドマスター”との対決を目指していく。

ゲームの進行自体は本家『ポケットモンスター』の流れをくんでおり、8つのクラブにいるクラブマスターに勝利し、メダルを集めることで、“グランドマスター”への挑戦権を獲得することができる。

本作には、「ポケモンジャングル」「第一弾」、「化石の秘密」といった拡張パックを収録しているほか、限定配布のプロモーションカードやゲーム内オリジナルカードも登場し、カード総数は228種類と、初代作品でありながらかなりのボリュームを誇っている。

基本的にはCPUと対戦し、勝利することで新たなカードを手に入れ、徐々にデッキを強化しながら勝ち進んでいく流れだ。

対戦相手となるCPUもなかなか賢く、モブキャラであってもそれぞれが個性的なデッキ構成になっていることから、常に新鮮なバトルを楽しめるのも嬉しい点だった。

また、“ランダム要素”を活かしたオリジナルカードも良いアクセントとなっており、ゲームならではの表現が加わることによって本作オリジナルのバトルを体験することができる。

カードゲーム初心者にも分かりやすいよう説明書が漫画形式になっていたり、ゲーム開始時に丁寧なチュートリアルが用意されていたりと、熟練者だけではなく、これからポケカに触れるユーザーにとっても優しい作りになっているのも特徴だ。

もちろん、ゲームボーイの「通信ケーブル」を使った通信対戦にも対応。カードバトルはもちろん、グラフィックやBGMといったゲームの構成要素も非常にハイクオリティで、発売直後から多くのプレイヤーを魅了することとなった。

そんな本作だが、なんと2023年に『ゲームボーイ Nintendo Switch Online』にて配信が開始されている。カードゲームへの丁寧な導入や、オリジナルデッキを試す楽しみは健在で、令和の時代でもなおポケカの醍醐味を味わうにはうってつけの一作となっている。

20数年の時を経てなお愛され続けている、まさに伝説的なゲームボーイ作品だ。

■カード、ストーリー、マップ…ボリュームアップした続編作品! 『ポケモンカードGB2 GR団参上!』

初期バージョンが発売されて以降、その凄まじい人気から着実に続編パックが発売され続けているポケカだが、ゲームボーイ版のほうも2001年には続編作品である『ポケモンカードGB2 GR団参上!』が、ゲームボーイカラー専用ソフトとして発売されることとなった。

本作は初代作品『ポケモンカードGB』の正式な続編となっており、前作でグランドマスターを倒し、“伝説のポケモンカード”を主人公が手にしたあとのストーリーが描かれていく。

前作以上にストーリー性が強く、主人公は突如現れた「GR団(グレートロケットだん)」から奪われたポケモンカードを取り返すため、新たな戦いに挑むこととなる。

特筆すべきはやはり前作からの大幅なボリュームアップだろう。マップはほぼ2倍になっており、対戦できるデッキも大増量している。カード自体も前作までのラインナップに加え、「ロケット団」、「拡張シート」、「イントロパック」といった拡張パックなどを加えた計441種が搭載されており、今まで以上に多彩なデッキ構成を楽しむことができる。

また、本作オリジナルの要素として、“特別ルール”を採用したバトルが挙げられる。

これはそのバトルに限り永続的なルールが適用されるというもので、「デッキに特定のカードが入っている」といった構成を限定されるものや、「特定の属性が強化・弱体」、「控えポケモンは3体までしか出せない」のようなバトル中に影響が出るものまでさまざまだ。

このため、必然的に条件に合ったいくつかのデッキを使い分ける必要があり、今まで使うことのなかったカードや構成を試す良い機会にもなった。

ポケカを扱った作品としてはまさに正統進化を果たした一作なのだが、その高い完成度と圧倒的ボリュームにもかかわらず、発売時期が遅かった影響から世の中に流通した本数はかなり少なめになってしまっている。

このため、現在ではプレミア価格で取引されることも多く、当初は3900円(税別)で発売されていたソフトが、安いもので5〜6千円。高いものだと2万円ほどの価格で売買されているという。

続編としての高い完成度から今もなお本作を求めるファンは多く、そのプレミア価格の高さに驚かされてしまう。伝説的存在となった前作を受け継いだ、実に完成度の高い名作ソフトと言えるだろう。

平成に生まれ、現在にいたるまで進化を続けている『ポケモンカードゲーム』。かつて発売されたゲームボーイ作品はしっかりとその魅力を受け継ぎ、多くのファンが楽しめる出来となっている。

新たに展開されるアプリがどのようなものになるのか、これからも“ポケカ”の新たな展開に目が離せない。

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