『呪術廻戦』五条悟、まさかの復活か  釘崎野薔薇が“最重要人物”となる可能性も?

※本稿は『呪術廻戦』ジャンプ本誌連載分の内容を含みます。ネタバレにご注意ください。

■SNSでもトレンドに! 五条悟、まさかの復活?

“現代最強”五条悟と“史上最強の術師”両面宿儺との激闘から幕を開けた、『呪術廻戦』の人外魔境新宿決戦。5月20日発売の『週刊少年ジャンプ』25号(集英社)に掲載された第260話では、その戦場で衝撃的な出来事が巻き起こり、読者のあいだで大きな反響を巻き起こしている。

現在、新宿では宿儺が領域展開「伏魔御廚子」に続けて、奥の手である「竈」(カミノ)、「開」(フーガ)を発動。仲間たちが戦線を離脱するなか、颯爽と駆け付けた東堂葵と共に、虎杖悠仁が反撃を始めているところだ。そこで突如として宿儺の目に“最強の亡霊”の姿が映し出される……という場面が、今回のエピソードの引きとなっていた。

亡霊の見た目は明らかに五条であり、煽り文では五条だけがもつ特殊な瞳、“六眼”を連想させるような言及もあった。ただ、五条は宿儺が放った「世界を断つ斬撃」により致命傷を負い、すでに死亡しているはず。つまり宿儺はありえないものを見たことになるだろう。

このシーンに対して、いくつかの解釈が可能だと思われるが、まず1つ目は「五条が奇跡的に復活した」という説を考えてみたい。

新宿決戦では対象をワープさせる術式をもつ憂憂によって、宿儺に敗北した術師たちが別の場所へと移動させられていた。五条の肉体も宿儺が気づかないうちに移動させられていたため、何らかの処置で回復を果たした可能性はゼロではない。

そもそも五条の復活については、以前からいくつものシーンが「伏線ではないか?」と囁かれてきた。たとえば第236話では、致命傷を負った直後の五条が“死後の世界”を連想させる走馬灯に突入。空港のような場所で、夏油傑や七海建人といった死者たちと言葉を交わしていた。

走馬灯シーンのなかでは、“北”に行って新しい自分になるか、“南”に行って昔の自分に戻るか、という二択が示されており、五条が南に向かうことを暗示するような描き方となっている。しかし一応は教師だった五条が、自身の死後に残される生徒たちのことを考えず、過去の思い出に浸ったまま物語から退場するとは考えにくい。すなわち五条はかつての仲間たちと別れて、1人で北へと向かい、現世への復活を果たしたのではないだろうか。

また五条は「天上天下唯我独尊」というセリフなどから、仏教の開祖である“釈迦”がモデルになっているとも言われている。そして釈迦には四門出遊という逸話があり、東・西・南の門を出た後、最後に北の門から出家を果たしたとされているため、「五条も北に向かうのではないか」と推測されていた。

さらに五条が致命傷を負うシーンが収録された単行本の26巻には、巻頭の扉絵として、五条が目を見開いた表情のラフ画が掲載されていた。あまりに壮絶な表情から、これは「世界を断つ斬撃」を食らった瞬間の五条だと解釈されていたが、実際にはむしろ死後の世界から生還を果たした瞬間の描写だったのかもしれない。

■ここにきて浮上する“釘崎復活”の可能性

しかし今回のエピソードだけでは、五条の復活が確定したとは言えないだろう。ほかにもいくつかの可能性が考えられる。

たとえば有力なものとして挙げられるのが、「宿儺が乙骨憂太を五条と取り違えた」という説。乙骨は術師の一部を取り込むことで、その術式を模倣することができる能力と言われている。戦線を離脱しているあいだに五条の肉体を“喰った”なら、無下限呪術を模倣できるようになっているはずだ。

ただし無下限呪術の発動には六眼が必須であるため、この場合乙骨は六眼も五条から受け継いでいるものと思われる。だとすれば、宿儺がその“眼”を見て五条が復活したと勘違いしたのだとしてもおかしくはないだろう。

さらにもう1つの可能性として、多くの読者たちに期待を寄せられているのが「釘崎野薔薇の復活」という説だ。釘崎は「渋谷事変」にて真人の術式で致命傷を負わされ、志半ばで物語から退場。ただし死亡は確定しておらず、実質的に“生死不明”に近い状態に置かれていた。

釘崎は左目を吹き飛ばされていたのだが、今回亡霊として出てきた五条はちょうど右目の側が影になっており、左目しか描かれていない。すなわちこう考えると辻褄が合うだろう。釘崎は左目に五条の六眼を移植する形で復活を果たし、その六眼のせいで宿儺は釘崎の姿を五条だと誤認した……と。

そもそも釘崎は、主人公の虎杖にとってもっとも重要な仲間の1人だ。そんな人物をあえて死亡扱いにせず、生死不明にとどめておいたのは明らかに意味深であり、最初から復活が予定されていたのではないかと思われる。だとすれば、復活のタイミングは宿儺戦が佳境を迎えた今、ここでしかありえないのではないだろうか。

いずれの説も決め手には欠けているものの、少なからず根拠が存在している。そしてどの説が正しかったとしても、宿儺戦の今後を大きく左右するファクターとなることは間違いないだろう。突如戦場に舞い降りた亡霊の正体は一体何なのか、次回は見逃せない展開となりそうだ。

(文=キットゥン希美)

© 株式会社blueprint