週末の寝だめでうつ病のリスクが低下?―中国メディア

寝だめをする人としない人でどんな違いがあるだろうか。

平日は寝不足なので、週末はゆっくり朝寝坊するという人が多い。一日の大半を寝て過ごす人もいる。では、寝だめをする人としない人でどんな違いがあるだろうか。

週末の寝だめでうつ病のリスクが大幅低下

2024年に中南大学湘雅三病院神経内科の研究者が「スリープメディシン」誌に「週末の寝だめとうつ病との関係」について研究成果を発表した。5000以上の人を対象に行った研究の結果、平日に睡眠不足の人が週末に寝だめをすれば、うつ病になるリスクを大幅に低下させられることが分かった。

同研究によると、週末に寝だめをする人としない人を比べると、寝だめをした人はうつ病になるリスクが19%低下した。特に平日に睡眠不足(睡眠時間7時間未満)の人では、寝だめをする人はしない人よりうつ病のリスクが34%低下した。ここから週末の寝だめは心の状態を整える主体的な選択になるということが分かった。研究者によると、平日の睡眠が足りなければ、週末の寝だめでうつ傾向を改善できる。

睡眠不足で週末に寝だめ、心臓にもプラス

23年に南京医科大学附属淮安第一人民病院の研究者が「スリープヘルス」誌に「週末の寝だめの時間と心血管疾患の発症率との関係」について研究成果を発表した。3400人を対象に行ったこの研究から、平日の睡眠時間が6時間未満の人は、週末に2時間寝だめをすることで、心血管疾患になるリスクを70%低下できることが分かった。

週末の寝だめは2時間まで

睡眠不足の人にとって、週末の寝だめはより効果的だが、眠る時間が多ければ多いほど良いというわけではない。 21年に「スリープメディシン」に掲載された5000人以上を対象とした研究成果によると、睡眠時間8時間をベストとして、週末の朝に1時間余分に眠れば、うつ病のリスクを約30%低下できる。2時間余分に眠れば、うつ病リスクは約48%低下する。しかし2時間を超えて朝寝坊すると、うつ病のリスクが上昇する。

普段から睡眠が十分に足りている人は、週末も休息のリズムを崩さない方がよく、余分に寝て寝だめをする必要はまったくない。

前出の淮南第一人民病院の研究者の研究成果によると、平日の睡眠時間が8時間を超える人は、週末に2時間以上寝だめをすると、かえって心血管疾患のリスクが上昇する。

週末に寝だめをすれば、平日に十分な休息が取れないことによるリスクを完全に相殺できるわけではなく、寝だめは一時的な緩和に過ぎない。長期にわたって睡眠不足の状態が続くと、体力が持たなくなり、免疫力が低下し、体がますます弱くなっていく。23年に「スリープヘルス」に発表された研究成果では、平均年齢50歳の大人6000人以上を対象に行った睡眠に関する調査の結果、眠りのリズムが大きく変動する人は老化が早いことが分かったという。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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