ロッテ・西野勇士「本当はもっとイニングを稼ぎたい」今季ここまでの投球に「良くも悪くもという感じですね」

「良くも悪くもという感じですね」

ロッテの西野勇士は、開幕してからここまでの投球をこのように振り返る。今季は5月19日終了時点で、6試合・36回2/3を投げ、3勝3敗、防御率3.44。

14日のオリックス戦では「取りたい狙った打球を打たせることができていたのかなと思います」と、4-1の3回に先頭の宗佑磨にセンター前に運ばれるも、一死一、二塁でセデーニョをカーブで遊併、続く4回も先頭の西川龍馬に安打も続く紅林弘太郎を1ボール1ストライクから142キロのシュートで遊併に打ち取るなど、走者を出しながらも粘りの投球で、5回、6安打、1失点に抑え、3勝目を手にした。

ゴロを打たせてダブルプレーに取ったで言えば、今季2勝目を挙げた4月17日の西武戦の初回もそうだ。初回先頭の長谷川信哉を2ボール2ストライクから6球目のインコースシュートが抜けて死球、一死二塁で外崎修汰の初球インコースに投げようとしたシュートが真ん中に入り左安とインコースのシュートを思うようにコントロールできていないように見えたが、続くアギラーを1ストライクから2球目の外角のスライダーで三併で打ち取ったのはさすがだった。

西野本人は「何が良くて、何か悪いという時が絶対にあるんですけど、その場でできるだけ判断して使っていくのが大事なのかなと思います」と、常々話す、“何かがダメでもそれを補う球種がある”、“どの球種でも勝負球にできる”強みを活かした投球となった。

立ち上がり操れていなかったシュートも同日の西武戦では、4回以降に多投し凡打の山を築いた。投げながら調子を取り戻すことが可能なのだろうかーー。

「感覚的な部分なんですけど、投げていく中でうまく直していくのができないと能力というか、先発として必要な能力なので、投げている中でよくなることは多々あります。他の球種も含めて」。

ストレート、フォーク、シュート、スライダー、カーブを持ち球にしているが、その中で今季特に良いと感じる球種はあるのだろうかーー。

「その時によるんですけど、那覇の時はシュートとスライダーが良かった。トータルで真っ直ぐが良い日が少ない。タイミングが合わないというか、そういう時が多い。そこが一番良くなったら、もうちょっとパフォーマンスが上がってくるのかなと思うんですけど」。

西野自身の中でストレートが良いと感じる登板は少ないという。「あんまり調子が良くないかもしれないですけど、真っ直ぐを見せていかないとその後にフォークが効いてこなくなる」と、武器であるフォークを活かすためにはストレートを序盤から積極的に投げていく必要があるという。

そのフォークに関しては、「悪くはないですね。ちょっとばらつきもあるんですけど、落ちもしっかり落ちていることも多くて、割と調子の良い球もあるのかなと思います」と自己分析する。

昨季は登板間隔を空けての先発が多かったが、今季は中6日での先発もあり、今週は前回登板のオリックス戦から中6日での先発。「キツイとも感じていないですし、しっかり中6日で投げていたい気持ちはあります」と、中6日で先発することは全く問題ない。

「本当はもっとイニングを稼ぎたいんですけど、そこでしっかり貢献できたらいいかなと思います」。理想は少ない球数で長いイニングを投げること。今週も週頭の火曜日に先発する。1イニングでも長く投げて、リリーフ陣にバトンを繋げたい。

取材・文=岩下雄太

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