メジャー2勝目へ1打及ばず “エンターテイナー”デシャンボーの確信「もう一度できる」

18番でバーディを奪い雄たけびを上げた(Scott Taetsch/PGA of America via Getty Images)

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 最終日(19日)◇バルハラGC(ケンタッキー州)◇7609yd(パー71)

練習場でプレーオフの可能性に備えていたブライソン・デシャンボーは、大型ビジョンでザンダー・シャウフェレのウィニングパットを見届け、踵(きびす)を返した。早足で向かったのは18番。新たなチャンピオンを出迎えて祝福した。「できる限りの努力はした。僕は(ベストではない)“B”のゲーム内容でも十分だと思っていた。それで勝てなかったということは、ほかに信じられないプレーをした人がいるということ。ザンダーはメジャーチャンピオンにふさわしい、素晴らしいゴルファーだ」と賛辞を惜しまなかった。

通算20アンダーも、トータルの264ストロークも、これまでの大会レコードに並ぶ数字。新記録を出したシャウフェレに1打及ばなかったが、4月「マスターズ」に続いて優勝争いを大いに盛り上げる存在だったことは疑いようがない。

後半16番では大きく左に巻き込んだティショットが木に当たってフェアウェイに跳ね返ってきた。「木に『ありがとう』を言ったよ。キャディにも言ったんだ。『メジャーを勝つためにはこういう(ラッキーな)ことが必要なんだ』って」。訪れた幸運を逃さず、8Iのセカンドをピンの根元に突き刺してバーディ。18番(パー5)も3m強のバーディパットを何とか届かせ、最終日のベストスコアに並ぶ「64」を出し、「パッティングは『A+』、ウェッジは『A+』、ショートゲームは『A+』、ドライビングは『B』といった感じだった」とうなずく。

年間の試合数が少ないLIVゴルフでプレーするようになって3シーズン目。「休養と回復の時間を持つことは、僕にとって非常に重要。ゴルフ以外で何が一番大切なのかを考える時間をたくさん与えてくれる」。これまで同様ギアの“研究”に没頭し、YouTubeチャンネルでの活動にも熱が入る。「ファンのため、身近な人のため、たまにはいいゴルフをするエンターテイナーでありたいと思っているよ」。競技との新たな向き合い方に誇りもにじませた。

「1打、足りなかった。もっとやらなきゃ」と悔しがりつつ、大きな手応えも感じている。「もう一度できると確信した。パインハーストが楽しみだ」。歴代覇者として臨む4週後の「全米オープン」(ノースカロライナ州パインハーストリゾート&CC パインハースト No.2)が待ち切れない。

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