福島高専、米国拠点6月1日開設 シリコンバレー企業と協定

協定を交わした田口校長(左)と桝本社長

 福島高専は20日、人材育成・研修などを手がける米西部カリフォルニア州シリコンバレーの企業「B―Bridge International(ビーブリッジ・インターナショナル)」と教育文化の交流に関する協定を結んだ。協定を受け、高専は6月1日付でシリコンバレーにサテライトオフィスを開設、海外インターンシップや高専が主催するシリコンバレーでの研修会の拠点として活用する。

 海外インターン活用

 高専が海外に拠点を設けるのは初めて。同社は、シリコンバレーに根付く起業家精神などを現地で学ぶプログラムを学生や社会人を対象に展開。起業などを支援するためのインキュベーション施設も運営しており、高専はこの施設内に拠点を設ける。インターンシップで訪れる学生だけではなく、学会などで現地を訪れた教職員の活用も想定している。

 高専によると、海外インターンシップは新型コロナウイルス感染症の影響で途絶えていたが、協定を機に再開させる。4年生以上が対象で、学内選考を経て5、6人程度を派遣するという。派遣先は同社の協力を受けて決める。

 シリコンバレーは、米IT大手グーグルや数多くのスタートアップ(新興企業)が立地する先端産業の一大拠点だ。いわき市で行われた締結式で同社の桝本博之社長は「(日本が)世界で競争力を高めるためにはこれまでの常識を破る活動が必要。学生には世界を見てもらいたい」と強調。田口重憲校長は「さまざまな企業が興ってきた地域での研修は学生がグローバル人材に育つためにも素晴らしい機会になる」とした。

 協定には、教育・討論を目的とした教職員の相互交流、共同教育の展開、教育的・文化的事業の展開・促進の3項目を盛り込んだ。 

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