TERAMOTO@J-TRIP Racingの鈴鹿8耐参戦体制決定。すべてをかけて挑む寺本、青木宣篤も帯同

 寺本幸司が代表を務める寺本自動車商会と世界最速のスタンド屋として知る人ぞ知る森賢哉代表取締役のJ-Trip有限会社 森 製作所の2社による合同チームであるTERAMOTO@J-TRIP Racingが、2024年鈴鹿8時間耐久ロードレースの参戦体制を5月21日(火)に発表した。

 鈴鹿8耐ではSSTクラスで上位を争う常連となっているTERAMOTO@J-TRIP Racingだが、今年の参戦体制はなかなか決まらなかった。昨年走った佐野勝人は別チームで走ることになり、石塚健はFIM世界耐久選手権(EWC)で走っているチームが鈴鹿に来る可能性もあったからだ。

 ここに来て石塚は、今年もTERAMOTO@J-TRIP Racingで走れることが決まり、さらにもう1名は村瀬健琉が加わることになった。村瀬は今年からスズキに就職し、Team TITAN-TKR SUZUKIとして全日本ロードST1000クラスを戦っており、速さは持っているライダーだ。

森賢哉代表取締役、寺本幸司(TERAMOTO@J-TRIP Racing)

 寺本は「今年も工具のKTC様、クラッチのEXEDY様を始め多くの皆様に応援していただき2024年もスズキのオフィシャルチームとして鈴鹿8耐SSTクラスで優勝を目指せる体制が整ったことを感謝いたします。今年のSSTクラスはダンロップのワンメイクとなります。昨年までダンロップ最上位でしたし、タイヤのことを一番理解している自負があります。その強みを最大限に活かして戦います。ここ2年は4位と悔しい思いをしているので、その分も一番高いところを目指して全力で戦います」とコメント。

 そして監督兼給油マンを担う森は「SSTクラスはクイックリリース機構が使えないなど、制限があるのですが、その中でもタイヤ交換は19秒と世界最速だと思います。18秒、17秒とさらに縮めていくことを目指して、ライダーを少しでもサポートできるようにしたいです。3位、4位、4位と来ているので表彰台はマスト。今年こそは一番高いところを目指していきますし、可能だと思っています」と自信のコメント。

 また、2022年にTERAMOTO@J-TRIP Racingで鈴鹿8耐に参戦して涙の引退をした青木宣篤もスタッフとしてチームに帯同する。「青木の方から“やらせてください”と言ってきたのでやらせてやってもいいかなと。今年も夫婦そろって私たちをもてなせと(笑)」(森)

 寺本としては、昨年、若いライダーと組み、その走りのすごさを感じつつも、自分自身のペースが上がらず悔しい思いをした。怪我もあったが、それを言い訳にはしたくなかった。

「33年もレースをしてきたので、連続出場記録には全くこだわっていないのですが、自分のベストをいかに超えていくかということをモチベーションにしてレースを続けています。去年はベストにかけ離れた状態でレースをしてしまった。今年はフィジカル的にもベストな状態で挑んで、今持っている全てを出し切って、その集大成として表彰台の一番上に立ちたいと思っています」(寺本)

 同い年の青木の引退も身近で感じ、フィジカル面でも年齢との戦いもある。トレーニングをするために身体作りのトレーニングをしなければいけないと語っていた。長年一緒に走ってきたライダーの多くが引退したが、そんなライダーたちの夢も乗せながら走ってきた。レーシングライダー寺本がすべてをかけて挑む2024年の鈴鹿8耐を、ぜひ見届けて欲しい。

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