メタボ判定の記者が「糖質制限」にチャレンジ、1年続けた結果は…「過度の制限は危険、ちょっとずつ減らして」医師のアドバイス胸に

糖質制限ダイエットを1年間続けた記者。1年前にはいていたズボンはぶかぶかだ

 同僚のグルメ担当記者は各地でおいしい思いをしていたせいか、以前よりもふっくらした気がする。そういう自分も生活習慣病予防健診ではメタボ判定で、中性脂肪の数値は基準値上限の3倍以上。精密検査を受けると、肥満による脂肪肝と診断され「このままでは内服が必要になる」と医師に言われた。薬には頼りたくないと同僚に内緒で減量を決意。けれど食事は楽しみたい。よし、世間で評判の「糖質制限」を試してみよう。福井県済生会病院の医師に助言を求めると「過度の糖質制限は危険。ちょっとずつ減らすようにして」。アドバイスを胸に1年間続けてみた。

夕食は主食抜き

 1年前の記者の体重は85.9キロで体格指数(BMI)は30.7。なお、日本肥満学会が定める普通体重の判定基準の25未満の体重は記者の場合69.9キロ未満だ。白飯が大好きな記者。昼食、夕食ともおかわりは当然。お好み焼きをおかずに白飯を食べる派だ。

 糖質制限ダイエットは、糖質が多く含まれるご飯やパン、麺類といった炭水化物を減らし、代わりに肉類などを多く食べる方法。妻にも協力してもらい食生活を見直した。朝食はしっかり食べる一方、昼食では白飯の量を100グラム程度にするなど主食の量を減らし、夕食で主食抜きにした。牛丼や親子丼など丼物は白飯を豆腐に変更。麺類はスーパーでも買える糖質オフ麺やこんにゃくなどを原料にした糖質ゼロの麺を試し、味や食感が好みのものを使うようにした。

 炭水化物は、エネルギーになる糖質と腸内環境を整える食物繊維に分けられる。炭水化物を減らすことによる食物繊維不足にも気を付けた。白飯100グラム(茶わんに小盛一杯)に含まれる食物繊維量は1.5グラム。これを補うためには生のキャベツ約100グラムを食べる必要がある。おかずに山盛りの千切りキャベツを添えるなど、毎食葉物野菜を積極的に食べるようにした。

筋肉量落とさず

 福井県済生会病院生活習慣病外来を担当する金原秀雄医師は、糖質制限をする上で「筋肉量の低下に注意しないといけない」と話す。体内でブドウ糖が不足すると、脂肪だけでなく筋肉も分解してエネルギー源をつくろうとするからだ。筋肉量が減ると基礎代謝が落ち、太りやすい体質になってしまう。また、痩せている人が糖質を制限すると、全身の筋肉量が低下する病気「サルコペニア」につながる場合も。金原医師は「見た目を気にして、糖質制限で減量するのは避けてほしい」と訴える。

 筋肉量が落ちないようにすることに加え、脂質やコレステロールのことも考え、タンパク質はサラダチキンや豚しゃぶ、魚料理などを多く食べて摂取。夕食後には可能な限り30分程度のウオーキングで汗を流した。

周囲から「痩せたね」

 最初の1カ月間で一気に5キロほど減少。毎日体重計に乗るのが楽しみになった。

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