石原さとみ『Destiny』中盤なのに事件の真相が次々と判明…今後の展開の鍵を握りそうな “怪しすぎる人物” が1人だけいる

『Destiny』の会見に臨む石原さとみ

サスペンス×ラブストーリーとして俄然盛り上がりを見せている石原さとみ主演の『Destiny』(テレビ朝日系)。どうにも怪しい人物が1人いるのだ――。

5月14日(火)に第6話までが放送されており、まだ中盤回ながら核心となる事件の真相が次々と明かされる怒涛の展開で、視聴者は釘付け。

見逃し配信などの再生数は、第1話から第6話までの累計で1850万回(※ビデオリサーチ調べ/4月9日~5月16日)を突破しており、テレビ朝日のGP帯番組として史上最高記録を更新している。

■20年前の父の死、12年前の友人の死

まずストーリーをおさらいしておこう。

主人公・西村奏(石原)は大好きだった亡き父(佐々木蔵之介)と同じく検事になっていた。20年前、奏が中3のときに正義を貫く検事だった父親は、政治家の汚職事件に巻き込まれて自殺。

その後、奏は母親の地元の長野県に引っ越し、信濃大学の法学部に進学。勉強一筋のメガネ女子でいわゆる陰キャだったが、馴れ馴れしく接してきた野木真樹(KAT-TUN亀梨和也)と知り合ったことがきっかけで、陽キャの法学部仲間ができる。

奏と真樹は恋人になるが、もともと真樹を好きだった友人・及川カオリ(田中みな実)が激しく嫉妬。真樹を自分の車に乗せて暴走し、カオリだけが亡くなってしまう。そして真樹は失踪するのだった。

■お調子者のムードメーカーが怪しい?

カオリの死から12年後の現在。奏はずっと姿を消していた真樹と再会したことがきっかけで、20年前の父の死や12年前のカオリの死に再び向き合っていくことになる。

けれど、実は、第5話までにカオリの死の真相と父の死の真相は解明ずみ。とくにすべての発端となった奏の父の死は、弁護士である真樹の父(仲村トオル)が陥れたことが原因だったと明らかになっている。

要するに、元凶の黒幕が判明している状態なのだが、真樹の父に裏がありそうなことは最初から匂わされていたし、判明したのが物語の中盤という早すぎる段階だと考えると、ここからさらに二転三転することが予想される。

現時点で奏の味方だと思われているキャラが非情な裏切りをしたり、黒い一面が明らかになったりする可能性は十分あるだろう。

そこで浮上してくるのが、奏の大学時代からの友人・梅田祐希(矢本悠馬)と、奏の現在の恋人でプロポーズもしている外科医・奥田貴志(安藤政信)。

祐希はお調子者のムードメーカーで、一見すると人畜無害なヘタレキャラなのだが、真樹の父と接触しているシーンもあった。

とはいえ、逆に考えると、中盤回ですでにそういった怪しい描写があったことから、なんらかの秘密は抱えていたとしても、最終話で主人公と対峙するような真犯人ポジションになる可能性は低そう。

■メタ推理すると一番怪しいのは…

となると、残るは奏の恋人・貴志。今のところ怪しいシーンはなく、奏を献身的にサポートするやさしい彼氏という描かれ方をしているため、逆に怪しさが漂っている。

メタ推理すると、演技派の名優・安藤政信を毒にも薬にもならないような清廉潔白キャラとして、わざわざサスペンス作品にキャスティングするかと考えると、大きな違和感が残る。

最近だと、安藤は昨年10月期の『マイ・セカンド・アオハル』(TBS系)にレギュラー出演していた。主人公(広瀬アリス)が憧れる建築家役を演じており、このときは最後までただの善人キャラだったが、ラブコメ作品と『Destiny』のようなサスペンス作品とでは話が違う。

演じている安藤の俳優の格を考えると、貴志が今後の展開の鍵を握り、ストーリーを大きくかき乱していく可能性は大。実ははじめから何らかの目論見があって奏に近づいていたとか、奏を愛するあまりサイコパス性が発現するとか、そういった狂気的な演技が見られるかもしれない。

――公式サイトには《愛する人は私がこの手で守り抜く》というキャッチコピーが躍っており、この「愛する人」とは真樹のことを指しているのだろう。

今夜放送の第7話では、奏と真樹による禁断の逃避行が描かれるようなので、2人が消えたことを知った貴志がどう動いていくのか……注目だ。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』にて恋愛コラムを連載中。ほかに『現代ビジネス』『文春オンライン』『集英社オンライン』『女子SPA!』などにコラムを寄稿

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