犬の毛を健康に保つために必要な『4つのこと』 お手入れを怠るとどうなる?方法は?

犬の毛を健康に保つために必要なこと

犬の被毛の健康は、飼い主さんのお手入れ次第で大きく変わります。

そこで今回は、飼い主さんに意識して欲しい、犬の毛を健康に保つために必要なことについて、詳しく説明します。愛犬の毛のお手入れ方法を今一度確認しておきましょう。

1.こまめにブラッシングをする

犬の毛の健康を保つために、簡単でありながら絶対にやらなければならないのが「ブラッシング」です。

犬の毛は全身を覆っているため、寝ているときに毛が絡まったり、関節部分の毛がもつれて毛玉になったりすることはめずらしくありません。そのため、毎日ブラッシングを行って毛の絡まりをほぐし、毛玉ができるのを防ぐことはとても大切です。

絡まった毛には汚れが溜まりやすく、さらに毛玉になると皮膚が引っ張られて炎症ができたり痛みが生じたりすることがあります。毛をブラシでとかしてほぐすことで、毛についた汚れなども落とせるので、散歩や食事が終わった1日の最後にブラッシングをすると効果的です。

2.栄養バランスの取れた食事をさせる

丈夫で艶やかな被毛を保つためには、栄養バランスに気を使うことも大切です。

犬の被毛には良質なたんぱく質と適度な脂質が必要で、それらを食事やサプリメントから摂取する必要があります。

脂質では特にエゴマ油や亜麻仁油などに含まれる「オメガ3」、ごま油やひまわり油に含まれる「オメガ6」等の不飽和脂肪酸を含む油脂が被毛の健康には有効、とされています。

もちろん、こればかりを摂取すればいいというわけではなく適切な量を摂取する必要があります。犬の毛がパサついたり毛量が減ったりしたときは、栄養バランスを見直してみることをおすすめします。

3.皮膚のマッサージをおこなう

皮膚のマッサージをすることも、健康的な被毛をつくるためにとても重要なことです。マッサージをすることで、皮膚の血流やリンパのめぐりを促進し、栄養を行きわたらせることができます。

指で優しくマッサージするのもいいですし、柔らかなゴムブラシなどを利用するのもいいでしょう。

ただし、あまり強くやりすぎてしまうと、皮膚や被毛を傷める可能性があるので注意してください。

4.被毛の種類に合わせた手入れをする

犬は、犬種や個体によって、それぞれ異なる毛質を持っています。その毛質に合わせたお手入れをすることも、愛犬の美しく健康的な被毛づくりに役立ちます。

非常に短く艶のあるスムースコートやショートコートは、毛の絡まりや毛玉ができにくい反面抜け毛が多いのが特徴です。古い毛はしっかりと取り除いて、皮膚の清潔を保ちましょう。

ロングコートは被毛が長い分、絡まりやすく毛玉になりやすいのが特徴です。毛玉ができることを防ぐために、こまめにブラッシングをして毛のもつれをほぐしてください。

また、放っておくとどんどん毛が伸びて毛玉になりやすいカールコートや、「プラッキング」というケアが必要なワイヤーコートの犬は、プロの手を借りながら上手にお手入れを続けていきましょう。

犬の被毛のお手入れ不足で起こること

では、前述したようなお手入れを怠ると、犬の被毛はどうなってしまうのでしょうか。

毛玉ができる

犬の毛のお手入れをせずに放置すると、毛が絡まって毛玉ができてしまいます。特に下毛(アンダーコート)は細く柔らかいため、非常に絡まりやすいのが特徴です。

一度毛玉ができると、それをほぐすのはとても時間がかかり、バッサリ切り落とさなければならないこともあります。

また、周囲の毛を巻き込んでどんどん毛玉が大きくなっていくと、皮膚がその毛玉で引っ張られてしまうため、犬は強い痛みを感じやすくなります。

汚れが皮膚に溜まりやすくなる

お手入れをしないでいると被毛がボサボサになってしまいます。毛が絡んだりパサパサになったりすると、被毛にほこりや土などがつきやすく、毛の中にどんどん汚れが溜まっていってしまいます。

溜まった汚れや雑菌が原因で、皮膚の炎症が起きるなどトラブルが起こることもあります。

目や耳のトラブルが起こりやすくなる

犬種によっては、放っておくと毛がどんどん伸びていってしまう場合もあります。そのような犬の場合、顔まわりの毛が長すぎると、目の中に入って眼球が傷いたり耳の中に汚れや湿気がこもって外耳炎が起きたりします。

また、お尻まわりやお腹の毛が長すぎると排泄物がついてしまうことも多いので、部位ごとに適した長さに調整することも必要です。

まとめ

犬の被毛が丈夫であることは、見た目の美しさだけでなく、皮膚の健康を保つためにもとても大切なことです。

愛犬の被毛や皮膚を健康な状態で保つために、飼い主さんができることはたくさんあります。

今回のこちらの記事を参考に、ぜひご家庭でも愛犬の被毛のケアに取り組んでみてくださいね。

(獣医師監修:後藤マチ子)

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