福井県勢、川上秀太がパリ・パラリンピック代表内定 陸上世界選手権、自らのアジア記録更新して銀メダル

男子100メートル(視覚障害T13)で銀メダルを獲得し、日の丸を掲げる川上秀太=5月20日、兵庫県の神戸ユニバー記念競技場(杉本哲大撮影)

 パリ・パラリンピックの出場枠が懸かるパラ陸上の世界選手権第4日は5月20日、神戸ユニバー記念競技場で行われ、福井県勢は男子100メートル(視覚障害T13)決勝で川上秀太(アスピカ)が10秒70のアジア新記録で銀メダルに輝き、パリ・パラリンピックの出場が内定した。

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 世界選手権初出場の川上は、前日の予選1組で10秒83の2位で決勝に進出。8人で競った決勝はスタート直後からトップ争いを演じると、中盤以降も伸びて2位でゴールした。1位との差は0.26秒。自らが昨年6月にマークしたパラ陸上のアジア記録10秒80を0秒10更新した。

 川上は「ゴールした直後はうれしい気持ちもあったが、負けたので悔しい気持ちの方が大きい。パリ・パラリンピックで金メダルを獲得して、このもやもやを無くしたい」と誓った。

 日本パラ陸連は今大会終了後の5月26日にパリ・パラリンピック代表を発表する予定。

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川上 秀太(かわかみ・しゅうた) 小学3年の時に交通事故に遭い、視神経を損傷。右目の中心部と左目の内側の視野が欠けており視力は0.1以下。陸上は福井市至民中で始め、福井工大福井高、福井工大では健常者と競った。社会人となり2021年からパラ部門に転向。視覚障害T13クラスの短距離種目で日本記録やアジア記録を次々塗り替えている。

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