【DeNA】ドラ1の度会隆輝は「子供の野球」に気づけるか 二軍落ちで思い出される中田翔のぼやき

度会隆輝

【赤ペン! 赤坂英一】中日移籍1年目の中田翔内野手(35)、DeNAのドラフト1位ルーキー・度会隆輝外野手(21)が登録抹消となった。

どちらも開幕戦から大活躍し、4月前半の首位争いに貢献。それが1か月で調子を崩し、中日とDeNAが交互に最下位に低迷する中、同じ5月16日にそろって離脱である。

兆候はあった。中田は3打点で首位浮上に貢献した4月9日に「キツいよ。(10試合目で)30試合やってるような感じや」と体調が万全でないことを吐露。今月15日には右太ももに軽い肉離れを起こし、当面は治療に専念することになった。

もっとも中田本人は「ケガさえ治れば一日でも早く戻りたい」と意気軒高。それに比べると、攻守ともに精彩を欠いている度会の方が状態はより深刻かもしれない。

開幕からセ新人初の2戦連続本塁打、球団史上初の新人満塁弾でファンを沸かせたが、左投手と落ちる変化球を打てない弱点を克服できず、打率2割を切りそうなほど急降下。8日には右翼守備でも満塁で落球する痛恨のエラーをしでかした。

度会の落球について、風の影響かと三浦監督に聞くと「いやいや、風はずっと吹いてる。ここはホームグラウンドなんですよ」と厳しく指摘。「課題はいろいろある。守備、走塁、それ以外の面でもプロのレギュラーになるにはまだまだ課題が多い」と強調していた。

再昇格の時期については「ファームのスタッフと話して、総合的に判断してから」と明言せず。度会の二軍暮らしは意外に長引く可能性もある。

そこで思い出されるのが、中田が日本ハムに入団した駆け出しのころのこと。当時の中田は二軍では打てても一軍では打てず、守備位置も三塁、一塁、外野と転々とさせられて、私の取材にこうぼやいていた。

「二軍では打撃も守備も一からやり直さんとダメだって言われてました。何で自分だけこんな目に遭わんといかんのか、正直、腹が立った。最初はそんな受け止め方しかできませんでしたね」

だが、首脳陣の助言を聞き入れ、安定した成績を残せるようになると、自分の「間違い」がはっきり見えてきたという。

「昔の僕がやってたんは子供の打撃、子供の野球だったんです。もし二軍であんだけ怒られなかったら、いつまでも子供のままだったでしょう」

ガッツポーズや絶叫が売り物の度会のスタイルも、成績が伴わなければ「子供の野球」になる。そこに気づくことも三浦監督に課された「課題」の一つではないか。

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