宮城県の宿泊税は一律1人1泊300円で調整 仙台市=市200円+県100円

宮城県と仙台市が導入を検討している宿泊税について、宮城県は一律1人1泊300円とし仙台市に限っては市が200円、県が100円を徴収することで調整していることが分かりました。

宿泊税をめぐっては、宿泊者1人当たり宮城県は300円、仙台市は200円を課税する案を示しています。

このままであれば、仙台市の宿泊施設に泊まる人は500円を支払うことになるため、県と市の配分をどうするか双方の担当課で調整が続いています。

県と仙台市は、宮城県一律1人1泊300円とし、仙台市に限っては市が200円、県が100円を徴収することで調整していることが分かりました。

郡仙台市長「県に一律に300円で、仙台市の場合はその中の200円分は仙台市として地域の皆様方に喜んでいただけるように、皆さんにしっかりとお知らせしながら観光施策の充実に努めていきたいと考えているところです」

宮城県は、仙台市との合意後に6月議会での議案提出を目指していましたが見送ることにしています。6月議会への見送りについて、明言を避けてきた郡市長は。

郡仙台市長「9月に一緒に出そうということではなくて、もう少し色々と考えながら最終的な判断をしていきたいと思ってます」

宿泊税は宮城県議会と仙台市議会でも議論され、議員からは導入に反対の意見や調整の状況についての質問が出ました。

宮城県議会の経済商工観光委員会では、県の担当者から修学旅行だけではなく部活動や地域のスポーツ活動での宿泊についても免除する方向で仙台市と協議していることが説明されました。

県議からは、仙台市との調整の状況や仙台市の宿泊事業者への説明をどうするかといった質問のほか、宿泊税の導入に反対の意見が出されました。

外崎浩子県議(自民党・県民会議)「1泊で300円取られるのはやはり厳しいという声がある。県民に本当に必要なものであるならば、一般財源でしっかりと充当すべき。改めて税を作ることに疑問もある」

仙台市議会の経済環境委員会では、県との協議において宿泊事業者や有識者を出席させて当事者の意見にも耳を傾けるべきだといった意見が挙がりました。

日本共産党仙台市議団ふるくぼ和子議員1「宮城県にも温泉組合や関連事業者の皆さんがやめてくれという要望も出してきてる。大多数の不安だとか否定的な意見を切り捨ててまでまとめた(宿泊税導入)方向性っていうのが突き進められていくっていうことを、絶対に私は許されないことだと」

宿泊税の導入には一定の理解は示すものの、市民のメリットが明確ではないといった意見もありました。

市民フォーラム仙台ごうこ正太郎議員「宿泊税をやるというのであれば、市民がしっかりと納得すること。それが打ち出されていかなければいけないと思うんですよ。何々ができるようになるとか何々ができますとか、そういったところのビジョンが見えなければいけないんじゃないか」

仙台市の宿泊事業者の団体は、宿泊税の使い道の説明と県民への周知を宮城県と仙台市に求めています。 宮城県有数の観光地、仙台市太白区秋保の秋保温泉旅館組合の佐藤司事務局長は、見直しを要望してきましたが宿泊税を導入するならば観光振興に役立ててほしいと訴えています。

秋保温泉旅館組合佐藤司事務局長「300円で収まってくれるのであれば、まだありがたいと思っています。宮城県の各旅館さんは基本反対の姿勢で、宿泊税は取られて良いものではない」

佐藤事務局長は、宿泊税によって観光客が減ることに懸念があるとし、税の使い道についての説明と県民への周知を県や仙台市に求めています。

秋保温泉旅館組合佐藤事務局長「フロントとか最前線に立つ方々の立場を考えると、結構厳しい意見もあるかもしれない、仙台市と県には負担が掛からないような施策をきちんとしていただきたい」

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