引退表明のティエム、逆転勝ちで予選2回戦へ「また素晴らしいコート、試合ができる」[全仏オープン]

全仏オープンで2度の準優勝 ティエムが予選2回戦進出

現地5月20日、今季限りで現役を退くとしている元世界ランク3位のドミニク・ティエム(オーストリア/世界ランク131位)が、「全仏オープン」シングルス予選に登場。フランコ・アガメノネ(イタリア/同228位)を3-6、6-3、6-2の逆転で下し、予選2回戦に進んだ。

コロナ禍で行われた2020年の全米オープンでグランドスラム初優勝を果たした30歳のティエムは、翌年6月に右手首を負傷。そこから長いトンネルに入った。

2022年3月に復帰を果たし、7大会連続で初戦敗退と苦しいスタートを切ったものの、その後は持ち直して2023年7月のATP250キッツビュールで準優勝。352位まで落ちたランキングは、なんとかトップ100入りを果たして72位まで上昇したが、それが精いっぱいだった。そして、今年5月に自身のSNSを通じて今年限りでの引退を表明。手首の状態が上がらないこと、感情面の問題が理由だとした。

2018、2019年と準優勝の結果を残している最後の全仏オープン。予選からの出場となったが、その1回戦では第1セットを落としながらも、第2セット以降はティエムらしい大きな弧を描いたフォアハンドで押し込んで逆転勝ちを収め、オットー・ヴィルタネン(フィンランド/同156位)との2回戦に進んだ。

ほぼ満員となったコート・スザンヌ・ランランでの勝利を飾ったティエムは、同大会のインタビューで「本当に驚いたよ。満員のスザンヌ・ランランで本当に楽しかった。だから僕のほうこそありがとう。最後に勝てたことが本当にうれしいし、また素晴らしいコート、試合ができる」と素晴らしい雰囲気を作ってくれた観客に感謝。

「僕はすべての瞬間を楽しもうとしているよ。この大会が僕に与えてくれた素晴らしい思い出がある。ジュニアの頃、若かった頃、ラファと初めて対戦し、それからどんどん上り詰めて、最後にはタイトルまでそう遠くないところまでいけた。ラファに2度も邪魔をされたけどね。今日勝ったことで、あと1試合は楽しめる」と最後まで思い出のある全仏オープンを楽しみたいとしている。

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