両国の駅近喫茶店はボリューム満点のランチも魅力。昭和の雰囲気漂う『ニューストン』

両国駅から徒歩1分、横綱横丁を進むとレトロな看板の「カフェテリア」の文字が印象的な『ニューストン』に到着する。大通りからは外れているため駅から近いが人は少なく、静かで落ち着いた場所だ。

外には、お店がテレビで放送された時の写真や芸能人のサインも飾られており、長い間多くの人々に愛されてきたことが伝わってくる。今回は、オーナーである小山秀雄(こやまひでお)さんに話をきいた。

たばこを吸いたいならドリンク注文を!

懐かしさを覚える『ニューストン』の外観。
レトロな内装に心おどる。

店内はテーブルやソファ、ステンドグラス風の照明が配され、昭和のスナック風。

現代では珍しく喫煙もできるため、食事がてらにちょっと一服、というサラリーマンも多く訪れるとか。モーニングも朝8時から提供しているので、仕事前に寄るのもいいだろう。

また、メニューには一言ずつ説明が書いてあるのも面白いので見てほしいポイント。たとえば、とろ~りチーズジャンボハンバーグ1240円には「チーズのコクと美味しさが広がります」やカレースパゲッティー780円には「意外とおいしい」など。

通常の価格より200円以上お得になっているランチのメニュー。

なお、喫煙者は要注意。ランチタイムは混雑してしまうため、ドリンクを注文した人のみ喫煙ができる。

「この店はタバコを吸うお客さんが多く来てくれるので、自由に吸ってほしいのですが、多くの人に利用してもらえるように、ランチの時間はドリンクを注文していただいたお客さんだけに喫煙いただいています」とのことだ。

少しでも多くのお客さんにおいしいランチやコーヒー、一服する時間を届けたいという小山さんの気づかいこそが、長年愛される秘訣なのだろう。

大好評の200gのジャンボハンバーグステーキ!

それでは、多くの人が注文するというジャンボハンバーグステーキ1010円を注文。ライスとサラダがセットになっているとのこと。

「ジャンボハンバーグステーキは昔からあるメニューで、デミグラスソースがたっぷりかかっているのが特徴です。200gあるハンバーグも食べ応えがあるのでぜひ召し上がってください」と小山さん。

テーブルに届いたジャンボハンバーグはたっぷりのデミグラスソースで覆われており、その名のとおり大きい!

たっぷりデミグラスソースは小山秀夫さんの特製だ。

ハンバーグはどこか懐かしい家庭的な味で、食べていてホッとする。そして濃厚なデミグラスソースはハンバーグと絶妙にマッチして、ご飯が進む進む。

「デミグラスソースは自家製で試行錯誤した結果、いまの味ができあがりました。わざわざこのジャンボハンバーグ目当てに来てくれるお客さんも多いんですよ」と小山さん。

カラフルなチョコレートパフェは子供や女性に人気!

食後にチョコレートパフェ1100円も注文。高さ20cmほどもある豪華なチョコレートパフェには、リッチなチョコレートソースと、甘さ控えめの生クリームがたっぷり。あっさりと食べ進められる、大人にうれしい仕上がりだ。

「チョコレートパフェは人気メニューの一つで、毎日多くの注文があります。あとは、うちで出しているメニューは、自分で『うまい!』と思ったものしか出さないようにしています。自分でうまいと感じたものでないと、お客さんに出してはいけないと思うんですよね」

両国を代表する喫茶店にしたい

調理は、小山さんがすべて一人で担っている。かわいらしいメニューを改めて見ると、ナポリタン1230円のとなりには「限定3食」と書いてある。「ナポリタンは3食しか作れません。手間暇かかるので、一人で切り盛りすると他の調理ができなくなってしまうメニューなんです。だからあまり作れないんですよね」と小山さん。

『ニューストン』は、もともと別の方が始めたお店で、アルバイトとしてお店で働いていた小山さんがお店を引き継ぐことになったそうだ。

「1990年頃からアルバイトとして働き始めたのですが、本当は喫茶店で一通り学んだら自分でお店を持つために、すぐ辞めるつもりだったんです。でも、先代になかなか辞めると言いづらくて今日まできてしまいました」と、当時の想いを懐かしそうに教えてくれた。

オーナーの小山さん。休みなく働いている。

最近は、テレビでの取材があった影響か、初めて来てくれるお客さんや若い人たちの来訪も増えたそう。

「若い人たちも“おいしい!”と言ってくれるんですよね。それが本当に支えになっています」

お客さんの言葉を糧に、古き良き『ニューストン』を守り続け、両国を代表する喫茶店にしていくことが小山さんの野望なのだそうだ。

ニューストン(ニューストン) 住所:東京都墨田区両国3-26-11/営業時間:24時間/定休日:日(不定)/アクセス:JR総武線両国駅から徒歩1分

取材・文・撮影=アサノカツヒト

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