髙橋海人、関口メンディーらが“体当たり演技” 『95』はアクションが見どころのドラマに

ドラマ『95』(テレビ東京系)第7話では、Q(髙橋海人)たちと武闘派暴走族のキューティーハニーが宮下公園で接触。図らずもQは、翔を背後から襲い病院送りにした大黒(勝矢)と激突することとなる。

人としての暴力のリミッターが外れている大黒は、よだれをたらし、キマっている目線からも前回時点でヤクに手を出しているのではないかと思っていたが、宝来(鈴木仁)が大黒へとヤクを渡しトイレに入っていくところをQは目撃する。

宝来に奇襲をかけるQだったが、トイレから出てきたキマったばかりの大黒に返り討ちにされてしまう。中国拳法を会得し敵なし状態だったQでも大黒には全く歯が立たない。頭突きから木に打ちつけられたQはナイフで大黒にトドメをさされそうになるも、そこにドヨン(関口メンディー)が助けに入る。

チームの中で最もケンカが強いとされるドヨンは大黒に応戦するものの、逆に大黒をキレさせたことで顔面にナイフを突きつけられる。それを素手で止めるドヨン。マルコ(細田佳央太)が呼んだと思われるパトカーのサイレンに、宝来が「大黒さん、今はダメだ」と止めに入り、Qたちは一命を取り留めたのだった。

修行期間を経て強くなった主人公=Qが新たに現れた強敵にあっけなくやられてしまうのは、バトル漫画のような王道展開。大黒を演じる勝矢の印象が強すぎるが、髙橋海人や関口メンディーの体当たりの演技を筆頭に、『95』はやはりアクションが見どころのドラマであると改めて感じた。だからこそ、Qのチームとキューティーハニーの再戦、さらには第1話でインサートされていたQが銃を握ったバトルがこれから描かれていくことが本作の期待でもある。

チームが襲われたのは自分のせいだと頭を下げるばかりの翔(中川大志)、姉・淳子(桜井日奈子)の存在を無視して自分の人生をQに押し付けようとする母・悦子(紺野まひる)、テロに遭遇したことを誇らしげに語っていた父・高志(山中崇)のことも、Qは理解ができなかった。溜まり場だったメケメケも奪われ、為す術もないチーム。翔は「なんにもできない俺を怒れ。優しくするな」とドヨンに言い聞かすが、「優しくした覚えもねえけど、強いていうなら面白くしてくれ。しみったれたパーティーなら必要ねえよ」とドヨンは返答する。

変わらず援助交際に手を出す加奈(浅川梨奈)。それは宝来の傘下だった。一方のセイラ(松本穂香)はQの自宅に電話をかけていた。ホテルで一夜を過ごして以降、学校ですれ違ったきり、気まずい雰囲気のQとセイラ。

時を同じくして、翔はセイラにメッセージを打っていた。「イマドコ」「ハナシガシタイ」「アイタイ」とポケベルに表示される翔からの愛の言葉。そこに電話ボックスを叩く一人の男。渋谷を牛耳ろうとしている実業家・牧野(三浦貴大)だ。Qの呼びかけも虚しく、受話器を持つセイラの腕がぶらんと下がる。その終わり方は奇しくもQとホテルで過ごした第5話のラストカットと同じだ。
(文=渡辺彰浩)

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