ソン・フンミン主将に据え欧州舞台復帰!ポステコグルー監督の決断が“神の一手”だったと言えるワケ

韓国代表FWソン・フンミン(31)が“トッテナムのキャプテン”として戦った最初のシーズンは成功だったと言える。

ソン・フンミンが所属するトッテナムは5月20日(日本時間)、敵地ブラモール・レーンで行われたシェフィールド・ユナイテッドとのプレミアリーグ第38節(最終戦)で3-0の勝利を収めた。

先発出場したソン・フンミンは、前半14分にスウェーデン代表FWデヤン・クルゼフスキ(24)の先制点をアシストするなど、チームの勝利に貢献した。

シェフィールド戦勝利で勝ち点3を得たトッテナムは、20勝6分12敗で勝ち点66とし、5位でシーズンを終えた。

トッテナムは来季、UEFAヨーロッパリーグ(EL)に出場することになる。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場には失敗したが、ELには復帰する成果を上げた。

ソン・フンミンのキャプテン就任は“神の一手”

今季、ソン・フンミンはトッテナムのキャプテンを務め、チームのリーダーとして活躍した。

昨年6月より新たに就任したアンジェ・ポステコグルー監督は、チームを率いるキャプテンとしてソン・フンミンを選んだ。チーム唯一の東洋人でありながら、実力や人間性、リーダーシップなどを兼ね備えたソン・フンミンを、最も確実なリーダーとして見た結果だった。

実際、ソン・フンミンは韓国代表でもキャプテンとして活躍している。決して不慣れな役割ではない。

そんなソン・フンミンはピッチ内外でチームにエネルギーを吹き込み、キャプテンとして最高のシーズンを送った。

1992年生まれで30代前半を過ごすソン・フンミンだが、今季も相変わらずの活躍を見せ、エースとしても100%の役割を果たした。

アジアカップ出場のため2月に一時チームを離れたが、最終的にリーグ戦35試合出場で17ゴールを記録し、得点ランキング8位に入った。これにより、2016-2017シーズンから8季連続で二桁得点に成功した。

最前線とサイドを自由に行き来しながら様々な役割を果たし、バイエルン・ミュンヘンに移籍したイングランド代表FWハリー・ケイン(30)の空白を埋める活躍を見せた。

(写真提供=ロイター/アフロ)ソン・フンミン(右)

何より、シェフィールド戦でクルゼフスキの得点をアシストしたソン・フンミンは、今季リーグ戦で10アシストを積み上げ、得点とアシストともに二桁に達した。決定力とアシスト力の両方を兼ね備えたオールラウンドプレーヤーであることを改めて証明する活躍だ。

キャリアで「二桁得点&二桁アシスト」を3回以上記録した選手は、プレミアリーグの歴史でたった6人だけだ。元イングランド代表FWウェイン・ルーニー氏(38)、エジプト代表FWモハメド・サラー(31、リバプール)が各5回、元フランス代表FWエリック・カントナ氏(57)、元イングランド代表MFフランク・ランパード氏(45)が各4回、元コートジボワール代表FWディディエ・ドログバ(46)が3回、二桁得点&二桁アシストを達成した。

そして今回、ソン・フンミンもプレミアリーグ史上最高の選手による大記録の仲間入りを果たした。

ソン・フンミンの活躍がチームの成績につながった。

トッテナムは昨季プレミアリーグで8位にとどまり、CLやELはおろかUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)への出場権も逃した。リーグ成績は38試合で18勝6分14敗で、勝ち点60にとどまった。

ただ、今季は20勝6分12敗で勝ち点66を獲得した。僅差とはいえ昨季より優れた結果を得て、欧州の舞台への復帰を果たした。チームの看板選手だったケインがいなくなったが、トッテナムはむしろチームとして発展した。

結果的に、ソン・フンミンをキャプテンに据えた体制が大成功を収めたと見られる。

ソン・フンミンをキャプテンに選択したポステコグルー監督の決定が、トッテナムを欧州の舞台に戻す「神の一手」となったわけだ。

シェフィールド戦後に報道陣の取材に応じたソン・フンミンは、「振り返ると後悔する時間もある。しかし、その時間を通じてさらに強くなったと思う」とし、「これから、もっとしっかり準備しなければならない。痛みを味わうほどに強くなれる。次のシーズンが始まれば、すべてのチームが同じ出発点から始まる」と、2024-2025シーズンでさらに高みを目指すことを誓っていた。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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◇ソン・フンミン プロフィール

1992年7月8日生まれ。韓国・江原道出身。身長183cm。大韓民国のサッカー選手で、サッカー大韓民国代表キャプテン。小学校と中学校ではサッカー部に所属せず、韓国代表経験のある父ソン・ウンジョン氏から直接指導を受けていた。2010年にドイツ・ブンデスリーガのハンブルガーSVでプロデビュー。その後、2013年に移籍したバイエル・レバークーゼンで2年連続二桁ゴールを披露し、2015年にプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーへと移籍。愛称は“Sonny(ソニー)”。

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