BMW、禁止対象中国業者の部品搭載した8000台を米国へ輸入=報告書

David Shepardson

[ワシントン 20日 ロイター] - ドイツの自動車大手BMWが、米国への輸入が禁止されている中国のサプライヤーから調達した電子部品を搭載した小型車「ミニクーパー」をこれまでに米国へ少なくとも8000台輸入したことが、20日公表された米上院の報告書で明らかになった。

ロン・ワイデン上院財政委員長の事務方が執筆した報告書によると、BMWは2021年に制定されたウイグル強制労働防止法(UFLPA)で禁止された中国のサプライヤーから仕入れた部品を搭載した8000台のミニクーパーを米国へ輸入し、少なくとも今年4月まで、禁止された部品を搭載した車の輸入を続けた。

BMWは電子メールで「影響を受けた商品の輸入を停止する措置を講じた」と説明。特定の部品を交換する方針を示した上、「雇用慣行、人権、労働条件に関して、全ての直接的サプライヤーが従わなければならない厳格な基準と方針」を打ち立てていると付け加えた。

ワイデン氏は「自動車メーカーの自己管理は明らかに機能していない」と指摘。米税関・国境警備局(CBP)に対し、中国で強制労働を活用している企業に対する取り締まりを強化するための措置を講じるよう求めた。

報告書によると、カリフォルニア州を拠点とする自動車サプライヤーのボーンズは四川経緯達科技集団(JWD)から部品を調達。JWDは昨年12月、UFLPAの禁止対象リストに加えられた。

ボーンズはJWDの部品をリア・コーポレーションに供給。リアはBMWとジャガー・ランド・ローバーに商品を直接提供している。ボーンズは今年1月、リアに対し、LANトランスフォーマーという電子部品がJWDによって製造されており、米国へ輸入される自動車への搭載は禁止されていると伝えた。

リアは今年1月11日、BMWとジャガー・ランド・ローバー、ボルボ、フォルクスワーゲン(VW)に送った書簡で、禁止された部品について通知した。

報告書によると、ジャガー・ランド・ローバーは昨年12月以降にJWDの部品を輸入したが、全世界でJWDの部品を含む全ての在庫を隔離した。

報告書によると、BMWは上院財政委員会がJWDとの関係についてリアや同社の顧客に繰り返し質問した後にようやく、輸入を停止した。

VWは今年2月、中国製部品がUFLPAに違反することが判明したため、米国の港湾でポルシェやベントレー、アウディなど数千台の輸送を見合わせたことを確認した。

VWは5月20日、これらの全車両でその後、部品を交換したと説明した。

ボルボカーズは、まだ生産を開始していない新車の開発用にLANトランスフォーマーを受け取ったが、同社の自動車には全く使用されていないという。

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