「ミッシング」石原さとみさんのぶっ壊れ具合がすごい‼ 娘が誘拐された母親の苦悩と葛藤

「ミッシング」オフィシャル写真

【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。大阪府警が20日、2003年に発生し未解決となっている未成年者略取誘拐事件で、今年で30歳になった被害者の似顔絵を作成・公開したことが注目を集めていますね。21年前の5月20日、大阪府熊取町で当時小学4年生だった吉川友梨さんが小学校からの帰宅途中に行方不明となったこの事件。これまでにのべ11万人を超える捜査員を動員しましたが、いまだ解決には至らず。専門知識を駆使して描かれた似顔絵が事件解決のきっかけとなることを祈るばかりです。

そのようなニュースを受けまして今回は、未解決の誘拐事件をテーマとした現在公開中の映画「ミッシング」を紹介します。今作は、娘が失踪し深い悲しみに突き落とされた母親の苦悩と葛藤を描く話題作です。

主演で母親役を演じるのは石原さとみさん(37)なのですが、ぶっ壊れ具合がまあすごい。石原さんはこの映画が出産後1年9か月ぶりとなる俳優復帰作で、「女優としての自分を壊してください」と監督に言い放つほどの覚悟で撮影に臨んでるんですよね。ファーストカットで本人が映っても、「これ石原さとみなの?」ってくらい、髪の毛もバサバサでちょっと体もだらしなくて唇もガサガサでっていう。愛娘が誘拐されて、自身も誹謗中傷の的となって精神が崩壊した母親を表現するために、あえて添加物の多い食事をとったり、髪をボディーソープで洗ったりとストイックに役作りに取り組んだそうです。

その成果が存分に出ていまして、作中で親族に暴言のメッセージを送るシーンや、娘の情報を広めてほしいがためにテレビのロケ車を追いかけて窓を叩くシーンなどは苦しすぎてもう正直見ていられなかったですよね。もちろん映画という世界はフィクションであり、お芝居ですけど、出産後の女優が何もここまでやらなくてもいいじゃないかというくらい、過激に追い込んだ演技でとてつもない迫力を感じました。

ただ、石原さんがそこまでの役作りをしてまで表現しようとした、家族を失い苦しむ被害者遺族がこの世界には数えきれないほどいらっしゃるんですよね。普段何げなく見ているニュースの裏側には、これだけの苦しみや家族への強い思いがあるのだということを胸に刻まなければいけませんね。今年必見の一本です。ぜひご覧ください。

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