廃棄素材使って「うちわ」作成 夏祭り用に注文も【長野・上田市】

捨てられるはずだった山国・信州の素材から「うちわ」が出来ました。石油樹脂の削減につながる取り組みで、上田市の夏を彩ります。

気持ち良い風を送って、社員が笑顔になります。4本のうちわの「骨」の部分はそれぞれ違う自然素材から出来ています。
クルミの皮・竹・サクラ・スギ。
すべて上田市内で出た余剰材で、使い道がありませんでした。

■上田プラスチック・山崎辰也さん
「これが今使おうとしていた竹です。この機械を言い換えるとたいやき機だと思ってください、そして材料が入っているところが大きな注射器度と思ってください、そこに高圧で溶けた樹脂を流し込むようなイメージだと思ってください」

上田市の加工業「上田プラスチック」は自動車に使われるプラスチック部品の製造が本業です。廃棄プラスチックと自然素材を混ぜ合わせ、機械の金型を変えて今回「うちわの骨」を作ったのです。

■上田プラスチック・山崎辰也さん
「地域のいらない素材を使うことで、石油系樹脂の削減につながる、CO2の削減にもつながる。地域の放置竹林やいらない間伐材を使うことで地域環境にも貢献できる」

合成したプラスチックに含まれるバイオマス素材の比率は、2割から3割ほど。将来は、環境にやさしいプラスチック製造を主力部品にも生かしたいと考えています。

■上田プラスチック・飯島洋一社長
「最終的にはメインの自動車関連やOA(事務機器)関連の工業用プラスチック部品にも使いたい強度と価格をクリアすればですが、2つをクリアすれば可能。(高いハードルだが)地球全体で向いている方向。将来的には手を携えてやっていきたい」

うちわは、夏祭りの「上田わっしょい」で1000枚。8月の花火大会で5000枚の注文が入っています。今年の夏は自然素材のうちわが多くの市民の手に渡ります。

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