中国、台湾巡り日米韓英に抗議 頼総統就任式出席や祝意へ反発

就任式典で手を振る(左から)蔡英文前総統、頼清徳新総統、蕭美琴新副総統=20日、台北の総統府前(共同)

 【北京共同】中国政府は21日、ブリンケン米国務長官が台湾で20日就任した頼清徳総統に祝意を示したことや日本と韓国、英国の議員が頼氏の就任式に出席したことに「断固反対」を表明し、抗議したと明らかにした。中台を不可分の領土とする「一つの中国」原則に違反し「台湾に誤ったシグナルを送った」と反発した。

 ブリンケン氏は「台湾海峡の平和と安定維持のため頼氏と協力することを楽しみにしている」と祝意を伝える声明を発表。中国外務省の汪文斌副報道局長は21日の会見でブリンケン氏への「強烈な不満」を示し「中国の国家主権と領土の一体性を脅かす行動は必ず中国の強力な反撃に遭う」と述べ、米国の台湾への関与をけん制した。

 日本から超党派の議員連盟「日華議員懇談会」の約30人が出席。在日本中国大使館は報道官談話で林芳正官房長官が頼氏に祝意を表したことも含め「中国内政への粗暴な干渉だ」と非難した。

 中華人民共和国を中国の唯一の合法政府と承認した日中共同声明をはじめとする日中間の四つの政治文書に「著しく背いた」とも訴えた。

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