衛星インターネットを計画する米オムニスペース、「スターリンク」でノイズが発生と報告

衛星インターネットサービスを計画している米スタートアップ企業Omnispaceは、Space Exploration Technologies(SpaceX)の「Starlink」衛星による電波干渉を報告している。海外メディアのSpaceNewsが報じている

Omnispaceは地球低軌道(LEO)に多数の衛星を打ち上げることで、スマートフォンとの直接通信サービスを計画している。すでにプロトタイプ衛星を打ち上げており、2026年には300機の衛星で初期サービスを提供する予定だ。

衛星インターネットでは、衛星通信専用の大きなアンテナを備えた地上局を経由せずに、衛星とスマートフォンが直接通信する機能「Direct to Device(D2D)」(「モバイルダイレクト」とも呼ばれる)が注目を集めている。SpaceXでは、D2Dを「Direct to Cell」と読んでおり、5月からDirect to Cellに対応した衛星を打ち上げている。

Omnispaceの担当者は「International Telecoms Week」のカンファレンスの場で、StarlinkのD2Dの影響で「S帯」(周波数は2G~4GHz、波長は75~150mm)のノイズが増加していると語った。Omnispaceが進めようとしている衛星インターネットではS帯を使用している。

一方でSpaceXは、Starlink衛星によるD2Dは、Omnispaceへの有害な干渉をもたらさないと主張している。SpaceXはOmnispaceと米連邦通信委員会(FCC)に宛てた書簡の中で、Omnispaceがシステムの調整についての話し合いに消極的であると批判した。

関連情報
SpaceX書簡
SpaceNews

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