雑貨店で「グラス」を落とし壊してしまった子ども。注意しなかった親が「弁償」するべき?

子どもがお店で物を壊したら弁償は必要?

子ども連れでお店へ行った際、子どもが商品を壊した場合は、子どもの年齢によっては原則刑事罰の対象にはなりません。刑法第41条にて、「十四歳に満たない者の行為は、罰しない」とされているためです。

また、14歳を超えていてもわざと壊したわけでない場合、器物損壊罪には問われない可能性があります。器物損壊罪とみなされる条件に「意図的に行われた行為」があるためです。

つまり、刑事責任は問われにくいといえるでしょう。

ただし、たとえ刑事罰に問われなくても、民事責任を問われて親が弁償額を支払うケースはあるようです。

民法第709条では「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定められており、うっかり商品を壊してしまった場合、賠償責任が生じる可能性があります。

親は子どもの監督者といえるので、民事責任が認められて賠償が必要になった場合の支払いは、親が行うことになるのです。

子どもが店の商品を壊してしまったときの対応

弁償の発生有無にかかわらず、子どもが商品を壊したときは謝罪をしましょう。親の知らないところで壊してしまったとしても、気づいた時点で謝罪をすることでさらなるトラブルを防ぎやすくなります。

また、必要に応じて壊した商品の弁償も必要です。弁償額は、壊した商品の種類や価格、状態などを考慮して決められます。

弁償をするにあたって、あまりにも高額な金額を提示される場合や話し合いがうまく進まないときは、弁護士などの専門家を頼ることも方法の一つです。

万が一に備えて保険の利用も検討しておく

子どもがうっかり商品を壊すケースに備えて、あらかじめ保険に入っておくと実際に壊したときの対応がよりスムーズに進みやすくなるケースもあるので、チェックしておきましょう。

PTA保険とも呼ばれる児童・生徒総合補償制度を利用すると、子どもが物を壊したり誰かにけがを負わせたりして損害賠償が発生した際の保険金を支払ってもらえる可能性があります。

また、都道府県民共済をはじめとする共済でも子どもの損害賠償に対して保険が適用されるケースも少なくありません。

子どもが壊した商品に対して損害賠償が必要になる可能性もある

ふと目を離したすきに、子どもがお店の商品を壊すケースはあります。子どもが14歳以下であったりうっかり壊したりした場合なら、器物損壊罪による刑事罰の対象にはならない可能性が高いでしょう。

ただし、民事責任は発生するため、必要に応じて商品の弁償が求められます。実際に支払う金額は話し合いで決められますが、あまりにも高額な提示があるときや対応に困ったときは、専門家を頼る方法もあります。

こうした事態に対応できるように、あらかじめPTA保険などの子どもが起こしたトラブルに対応できる保険に加入することも検討しておきましょう。

出典

[デジタル庁 e-法令検索
刑法(明治四十年法律第四十五号)第四十一条](https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045)
民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百九条

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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