[奥脇莉音のプロ奮闘記(30)]3週間のインド遠征で自分のテニスを貫いて自信に「やるべきことはまだまだあると感じた」

奥脇莉音「やるべきことはまだまだあると感じた3週間」

こんにちは!
奥脇莉音です。いつも応援ありがとうございます。今回のコラムは、3月に行われたインドの結果についてお話しさせて頂きます。今回はW35に3週間挑戦しました。

まずは、1週目です。予選2回戦からで2試合を勝ち抜き、本戦も1つ勝ったものの2回戦敗退でした。予選2回戦では、初めはリードしていたのですが、セカンドセットの後半に追い上げられてしまい、ファイナルセット10ポイントタイブレークでなんとか勝つことができました。

そして、本戦1回戦では第3シードの300位台の選手に勝利することができました。相手は攻めを貫きながら、ドロップショットを放つ巧みな技を使う選手。なんとかミスを誘えるようにという意識と、とにかく走ろうと思って1ポイント1ポイントをタフに戦うことに集中したことが勝利に結びついたと思います。

2回戦は、相手の安定したプレーに自分が少し攻め急ぎすぎてしまったことが敗戦の要因と感じています。ただ、インドに来てとても良いスタートが切れたと思いました。1週目から毎試合本当にタフに良い試合ができていたと思います。ダブルスは、一回戦からタフな相手にチャンスはあったものの、最終セットまでもつれて負けてしまいました。

そして、2週目はなんとクレーコート! とても楽しみにしていたサーフェスです! コートは、レッドクレーとはまったく異なり、慣れるまでは少し難しいと感じたのが本心。ですが、日本にいるコーチに相談した所、「コートを意識しすぎず、まずはテニスにフォーカスしよう」というアドバイスをいただいて、最後までやるべきことに集中できた1週間だった思います。

結果は、予選を2試合勝ち、本戦QF 敗退でした。ベスト8でした。予選決勝は、1週目と同じ相手でした。前回は最終セットの10ポイントタイブレーク。今回も最終セットまでもつれて、6-7と接戦で精神的に苦しい場面でしたが、なんとか最後まで攻めのプレーを貫き、10-7で勝利できました。うれしい半面、まだまだ課題が沢山あると感じました。

本戦1回戦では、自分のテニスをやり続けられたのが、良かったかなと思います。何より、コートを意識しすぎず、走り切れたのが良かったです。2回戦は、最終セットまでいきタフな試合でしたが、なんとかファイトして勝つことができました。準々決勝では、相手選手のプレーが素晴らしく、なかなか自分のテニスをさせてもらえず、難しい試合展開に。チャンスが来た時に落ち着いて対処する大切さを改めて感じました。最後は納得のいく試合はできず、負けてしまい、悔しい思いも強かったのですが、すぐに試合があるので、切り替えて、飛行機で移動しました!

3週目は再びハードコートでの戦い。予選2回戦で、6-1、6-0と数字上は圧勝のように見えますが、実際は40-40がずっと続いており、流れを渡さないようにと意識して挑みました。予選決勝もタフな相手に6-0、6-1。前の試合同様、40-40が続く苦しい試合でしたが、なんとか攻めきって今までで一番良かったと言ってもいいくらいの良い試合ができました!

この調子でと思っていたのですが、本戦1回戦では、1週目に対戦し勝っている選手に最終セット2-6で負けてしまいました。また、少し怪我をしてしまい、思うようなプレーができず、悔しい結果で終わりました。最後は、不甲斐ない結果に終わってしまいましたが、3週間通して、自分のテニスを最後までやり続けられたのは、大きな自信に繋がりました。試合がたくさんできたのも本当にうれしかったです。

ですが、もっともっと強くなるためには、もう少しタフに自分のテニスができるように、どうもっていくかなど、やるべきことはまだまだあると感じた3週間でした。そして私は今、久しぶりのヨーロッパにいます。レッドクレーでとてもタフで厳しい状況ですが、なんとか一つでも勝てるように頑張ります。引き続きどうぞ応援よろしくお願い致します。


[Profile]奥脇莉音(おくわき・りのん)
・2004年12月30日生まれ。埼玉県出身。
・橋本総業所属。株式会社グラムスリー契約。
・5歳のころからテニスを始め、2019年に関東ジュニア16歳以下で優勝。元世界4位・伊達公子さんが中心となって立ち上げた「KIMIKO DATE×YONEX PROJECT」のメンバーとなって力をつけると、2021年4月にプロ転向。どんなにつらい時でも笑顔を忘れずに"攻める""打ち勝つ"テニスで将来グランドスラム優勝を目指している。

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