災害時に性的少数者の尊厳は 被災地ボランティアを通し「LGBTQ+が経験するかもしれない困難」を考える

LGBTQ+など性的少数者の多様性を訴える全国の団体が6月、能登でボランティア支援を行い、被災地で生活する上でどのような点が課題となるのか、改善点などを考えます。

金沢レインボープライドでは、6月9日と10日の2日間、全国の関連団体と連携して被災地でボランティア活動を行います。全国の団体に能登の現状を知ってもらったうえで、「LGBTQ+が経験するかもしれない困難」について考えてもらうきっかけの場にしたいということです。

被災地で炊き出し支援などを行ってきた松中権さんは、発災直後の避難所では、性を尊重する対応が二の次になっていたと話します。

金沢レインボープライド共同代表・松中権さん「本当に大変な状況。なので、性の多様性ということ自体に対するアンテナというものが誰1人立っていない状況なんだなということを実感した。仮設のトイレで男性用女性用と書いてあるところの1個だけでもペタッと変えて、男性女性どちらでもどうぞとなっていれば、もしかしたら使いやすいかもしれないと感じた」

松中さんは、トイレやシャワー、更衣室など、被災地では多くのものが男女別になっていて、性的少数者にとっては利用しづらい環境になっていたのではないかと述べました。

また、能登ではパートナーシップ宣誓制度を導入している自治体が少なく、今後、同性カップルが仮設住宅へ入居する際、住まいが分かれてしまう可能性もあると指摘しました。災害時に誰1人取り残さない居場所をどのように作っていくか、今後の社会課題のひとつとして考えていく必要がありそうです。

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