石原さとみ、やつれた母親と不老のキュートショート 映画『ミッシング』と『Destiny』で見せる女優第二形態

石原さとみ (C)ピンズバNEWS

5月21日、石原さとみ(37)主演の連続ドラマ『Destiny』(テレビ朝日系/火曜夜9時~)の第7話が放送される。

『Destiny』は、横浜地検中央支部の検事・西村奏(石原)が父親の死や元恋人・野木真樹(KAT-TUN・亀梨和也/38)の事件に翻弄される物語。石原にとって3年ぶり、2022年4月に第1子出産を発表してから初の連続ドラマである。

「ドラマ『Destiny』の石原さんはショートヘアとスーツ姿で凛とした、一見すると強そうな女性。しかし、かつての恋人・真樹への想いや過去の事件の真相などで揺れ動く弱さをしっかりと表現している。これまでも石原さんはキャリアウーマンの役を得意としてきただけにイメージにぴったりの役ですし、実生活で育児に追われていることを微塵も感じさせない美しさは不変ですね。

業界が重視する13~49歳のコア視聴率は高くはないですが、世帯視聴率は堅調。そして『TVer』での人気は今期ドラマナンバーワンです」(制作会社関係者)

『Destiny』の世帯視聴率は第3話(4月23日)の6.8%以外、第6話(5月14日)まで7%台をキープ(関東地区/ビデオリサーチ調べ)。

『TVer』の「お気に入り数」は119.4万人(5月21日夕方5時現在)。これは現在放送中の4月期ドラマでトップの数字で、2位の山下智久(39)の主演ドラマ『ブルーモーメント』の96.2万人に、20万以上の大差をつけている。

そんな『Destiny』の凛とした姿が話題となっている石原だが、5月17日には主演映画『ミッシング』が公開され、そこで見せた“全くの別人”を感じさせる演技が注目を集めている。

映画『ミッシング』で石原が演じているのは、幼い娘が失踪してしまった母親・沙織里。娘の失踪だけでなく、それに関連したSNSの誹謗中傷やマスコミ報道に疲弊・憔悴していく役だ。

映画の撮影は昨年3月後半から約3週間。石原にとって出産後初、1年9か月ぶりの女優復帰作だった。

■鬼気迫る石原の演技が話題沸騰

映画『ミッシング』を観た女性誌編集者は話す。

「素晴らしい映画だけど2度目は観たくない――そう思わずにいられないくらい、つらいもので、石原さんの演技は真に迫っていました。石原さん演じる主人公は精神的に追い詰められていて余裕がまったくなくて、ちょっとしたトリガーで人目もはばからず錯乱して絶叫したり当たり散らしたり。現実に小さなお子さんがいる石原さんにとっても他人事ではないであろう、リアルな焦燥感でした。

石原さんは髪をボディソープで洗ってボロボロにしたことを明かしていて、身体を張った役作りをした作品でもありますね」

現在の石原はショートヘアだが、その理由は『ミッシング』での撮影だったようだ。4月16日の完成披露試写会で石原は「終わった瞬間にショートカットにしました」とコメントしている。

吉田恵輔監督はあえて《汚れ役のイメージが一切ない人》(映画パンフレットより)である石原を『ミッシング』の主演に起用したが、そのキャスティングは正しかったようだ。Xには、

《悲しみや後悔や苛立ちがスクリーンから発せられてきました》
《間の脆さ、強さを全力で体現する石原さとみが正に圧巻。今年の邦画を語るには絶対に外せない一作と思います》
《ドキュメンタリーかと思うほどの臨場感。役作りのため髪も傷めたという石原さとみの女優魂に感服。演技を超えた心の叫びに震えた》

といった、石原への称賛の声が多く寄せられている。

「結婚前、石原さんはラブコメ作品など、演技力よりも可愛さ、可憐さが求められる役が多く、またそうした部分が人気だったところはあったでしょう。彼女がヒロイン役で出演していた『シン・ゴジラ』(2016)は名作ですが、当時彼女の演技を批判する声も一定数ありました。

しかし、結婚、出産、育児を経て人生経験が豊かになり、それが演技にも生きている印象を受けます。今後、求められるものの変化も感じているようで、映画『ミッシング』を観ていると作品選びも変わってきているのかと思われます。結婚前が“女優・石原さとみ”の第一形態なら、結婚後が第二形態――そう思わずにいられないくらい、役者として大きく前進した印象を受けます。『ミッシング』は、大きな転換期となったのではないでしょうか」(前同)

5月18日に行なわれた『ミッシング』の公開記念舞台挨拶で吉田監督は本作を「俺にとっても石原さんにとっても、分岐点になる大事な作品」と評していた。

結婚、出産を経て、そして現在進行形で育児中の彼女は、明らかにパワーアップして戻ってきた印象。輝きを増す女優・石原さとみ――折り返し地点の主演ドラマ『Destiny』の今後にも、注目だろう。

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