「金利のある世界」、財政健全化進める=財政審建議で林官房長官

Kazuhiko Tamaki

[東京 21日 ロイター] - 林芳正官房長官は21日午後の会見で、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が「金利のある世界」を念頭に財政の強靭化が必要との建議をまとめたことに対し「着実に財政健全化の取り組みを進めていきたい」と述べた。

林官房長官は「政府として今年夏の骨太の方針の策定に向けて検討を進めていくこととしているが、現時点でその方向性について申し上げる段階ではない」と説明した。

財政健全化の取り組みを進めるにあたっては「引き続き経済あっての財政という考え方の下で歳出の効率化の努力を進める」とも語った。

この日公表された建議では「金利のある世界は既に現実のものとなっている」との文言が盛り込まれ、日本の債務残高の対国内総生産(GDP)比率が世界最悪になっている中で「利払い費が年を追うごとに増加し、その影響が長期に及ぶことが懸念される」と指摘していた。その上で「安定的に国債を消化できるよう、健全な財政運営を行っていくことが不可欠」との認識も示した。

一方、林官房長官は暴動が発生したニューカレドニアからの早期出国を希望していた日本人数人がオーストラリアの協力を得て出国する予定であり、最終調整中であると述べた。また、現地に残る日本人についても本人の希望を踏まえつつ「適切に対応していく」と語った。

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