日本に年収600万円以上の女性は何割いるのか。職場復帰後のママ「理想の年収は平均495万5000円」に

女性で年収600万円を超える人の割合はわずか7%

令和4年の平均年収は458万円です。

年収600万円を超える人の割合は、男性なら30%以上が達する一方、女性ではわずか8.2%にとどまります。

年齢別の平均年収を見ても、女性の方が年収600万円に達するハードルは相対的に高いことがわかります。

株式会社ユニークピースが2024年5月10日に公表したリリースによると、職場復帰後のママが考える理想の年収は「平均495万5000円」という結果に。

調査の内容や女性の年収事情について見ていきましょう。

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職場復帰後のママが考える理想の年収は「平均495万5000円」

株式会社ユニークピースは「ママのキャリアに関する最新の意識調査」を実施し公開しました。

結果によると、89.1%の方が出産や子育てを機に仕事を休んだ経験があると回答し、そのうち半数以上(58.0%)がキャリアを継続したかったと感じているとのことです。

ただし、自身の望むキャリアに復帰できている方はわずか15.2%にとどまります。

自身が考える自分の現在のキャリアに対する理想の年収を聞く問では、その平均が「495万5000円」という結果になり、ギャップがあるとわかります。

実際、.職場復帰後の方の70.2%が「理想の年収に対して現在の年収が低いと感じている」という結果になりました。

では、日本の平均年収はどれほどなのでしょうか。次章にて公的資料から見ていきます。

令和4年の平均年収は458万円。男性は563万円、女性は314万円

令和4年の国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は458万円でした。

男性に絞ると563万円、女性は314万円で、男女の間では250万円ほどの格差があります。

また、年収帯別の分布は次の通りです。

【写真1枚目/全2枚】年収帯別の分布。写真2枚目で”年代ごとの平均年収”もチェック
  • 100万円以下:7.8%
  • 100万円超200 万円以下:12.7%
  • 200万円超300 万円以下:14.1%
  • 300万円超400 万円以下:16.5%
  • 400万円超500 万円以下:15.3%
  • 500万円超600 万円以下:10.9%
  • 600万円超700 万円以下:6.9%
  • 700万円超800 万円以下:4.8%
  • 800万円超900 万円以下:3.3%
  • 900万円超1000 万円以下:2.2%
  • 1000万円超1500 万円以下:4.0%
  • 1500万円超2000 万円以下:0.8%
  • 2000万円超2500 万円以下:0.3%
  • 2500万円超 :0.3%

600万円以上の年収を得ている人は、全体の22.6%となります。

ただし、男性・女性別に見ると年収600万円以上の割合は次の通りです。

  • 男性:33.4%
  • 女性:8.2%

男性の600万円以上の方が33.4%に及ぶ一方で、女性に絞るとわずか8.2%に留まります。

女性の方が、年収600万円に達するハードルは高いといえそうです。

男女の違いは、年齢別平均年収にもあらわれています。

男女別の年齢別平均年収(万円)

年功序列的な給与体系をなくす動きはみられるものの、男性についてはやはり50歳代までは、年齢と共に年収が伸びる傾向にあります。

40歳代からは平均が600万円を超えます。

すなわち若いうちに600万円を超える人は限られていても、40歳代~50歳代にかけて到達する方が相応にいると考えられます。

一方で、女性は最も平均年収が高い時期でも300万円台にとどまります。

男性と比べると、年齢と共に年収が上がる様子がみられないのが特徴です。

年収を高めるためのポイント

女性が年収を高めていくためには、次のようなポイントを踏まえて、キャリア形成を進めていくのがよいでしょう。

正社員・総合職を目指すのが望ましい

現代においては同じ職務内容・成果がある人材同士で、性別を理由に給与・昇進の格差を設けることは禁じられています。

それでも女性の平均年収が伸びない背景には、非正規雇用など正社員以外のキャリアを選択している方が多いという背景が考えられます。

同じ企業の中でも、総合職、地域限定職、非正規雇用といった形で職種が異なるケースがしばしばあります。

それぞれに求められる役割が違うため、実質的に年収水準に格差が生じる場合が少なくありません。

年収水準を高めるためには、総合職や専門性の高い職種などで長期にわたりキャリア形成をするのが有効です。

結婚・子育てを経てもキャリアを継続できるよう、育休・産休などの制度が整った企業に就職するのもひとつの対策となります。

女性の平均年収が高い業種を選ぶ

平均年収は業種によっても大きく異なるため、平均年収が高い業種を選ぶのも有効な対策です。

たとえば、次のような業種は、女性の平均年収が相対的に高い業種です。

  • 電気・ガス・熱供給・水道業:561万円
  • 情報通信業:459万円
  • 金融業・保険業:445万円

これらの業種の企業に就職して、さらに長期にわたりキャリアを積めば、女性でも年収600万円に到達する可能性を高められるでしょう。

まとめにかえて

株式会社ユニークピースの調査によると、職場復帰後のママが考える理想の年収は「平均495万5000円」という結果になりました。

ただし、平均年収でみると女性はどの年代でも300万円台となっており、正社員としての復帰が難しい現状がうかがえます。

望まれる働き方は、もちろん家庭によって異なります。ライフステージにおいて子育てや介護を優先する時期はやってきますし、配偶者の転勤の有無にも左右されるでしょう。

年収アップを望むステージに経ったとき、今後のキャリアについて考えていきたいですね。

参考資料

  • 国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」
  • 国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
  • 株式会社ユニークピース「休職後、自身の望むキャリアに復帰できているママはわずか15.2% 職場復帰後のママが考える理想の年収は「平均495.5万円」。最大1,500万円も」

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