外国人宿泊客1年で6倍に…ニーズに応える古民家利用の宿泊施設オープンへ 地域の課題解決にも一役

新型コロナ5類移行から1年。
山陰への観光客も戻りつつあり、島根県内随一の観光地、出雲大社周辺も多くの観光客でにぎわっています。
そんな出雲大社の近くに、来月、楽天グループが手掛ける無人宿泊施設がオープンします。
観光ニーズに対応しつつ…地域の課題解決にも一役買いそうです。

全室、マウンテンビューの開放的なリビング。

そして、こちらも全室完備のプライベートサウナ。

出雲大社まで徒歩5分の好条件の場所に来月オープンする宿泊施設「楽天ステイ出雲」です。

楽天ステイ広報室 荒井俊洋さん
「それぞれの宿泊者のスタイルで、くつろいで過ごしていただけることをコンセプトにしている」

楽天ステイは、戸建てやヴィラタイプの宿泊施設を中心に、それぞれ、場所に適したコンセプトで全国に46施設を展開していて、島根県では松江市に続き、2施設目。
新たにオープンする楽天ステイ出雲は、1室それぞれが、2階建てメゾネットタイプの2LDK、最大6人まで宿泊できます。

楽天ステイ広報室 荒井俊洋さん
「素晴らしい立地を活かした施設にしたいというのが、まずあって元々、この土地にあった植栽、塀、灯篭などを活かした作りになっている」

こちらが、建て替え前の建物。
宿泊施設そのものは新築ですが、この場所に古くからあった家屋の雰囲気を残し、全ての部屋で楽しめるプライベート庭園は、もともとあった家屋の庭園を使い、"わび、さび"を感じられる施設としました。

実は、出雲大社周辺、こうした古民家や空き家を利活用した宿泊施設が増えています。
その理由は?

出雲商工会経営指導員 高木亨さん
「神門通りから一歩入ると、昔からの住宅街になっていて、空き家は本当に数多くあると聞いている」

賑わう観光地となった一方で抱える地域の課題。

また、民家を活用した宿泊施設は、コロナ以降変化したニーズに対応したスタイルにもなっているとのこと。

出雲商工会経営指導員 高木亨さん
「(宿泊施設が)増え始めた中で、8棟、稼働しているが、ほぼスタッフがいない。スタッフを起用してない宿泊施設の形」

コロナ禍で広まった非対面・非接触のセルフチェックインシステム。宿泊者はスタッフに会うことなく宿泊施設に入室します。

楽天ステイ広報室 荒井俊洋さん
「最近では、セルフチェックイン・チェックアウトに対するやりやすさも浸透してきているし、訪日観光客にも使われやすいシステム」

島根県の去年の宿泊客数は、356万人で、前年比、14.4ポイントアップ。
外国人宿泊客はなんと、6倍近くに増えています。

地域の課題解決と、インバウンド需要にも対応する宿泊スタイル。
アフターコロナの新たな観光戦略が動きつつあります。

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