黎智英氏『りんご日報』は反体制紙

外国勢力との共謀罪に問われた壱伝媒集団の創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏と『りんご日報』関連会社3社に対する裁判が5月20日に79日目を迎えた。21日付香港各紙によると、検察は法廷で黎氏のトークショーの抜粋を流したが、その中で黎氏は『りんご日報』を「反共産主義」の反体制新聞であると言及。黎氏は当初は本土派に抵抗していたが、逃亡犯条例の改正反対デモ全体を通じて本土派にだんだん同情的になったと述べ、香港市民は和理非派と勇武派の区別に関係なく団結して戦うべきだと語った。黎氏はまた、立法会議員選挙で過半数の議席を獲得した反体制派が立法会を麻痺させ、行政長官の解任を強要することを支持。弁護側は、ソーシャルメディアの専門家証人である香港大学コンピューターサイエンス学部准教授の鄒錦沛氏を21日に反対尋問のため法廷に召喚するよう要求した。

検察は2020年5月11日、YouTubeチャンネル「Yahoo TV Watch Together」で台湾の生放送番組「郷民来衝康」を初めて法廷で放映した。番組の司会者である尹乃菁氏と趙少康氏が電話で黎氏と会話した。「郷民来衝康」のビデオインタビューコーナーで、番組の司会者は、蔡英文氏が選挙に勝利した後、台湾の報道と言論の自由は「最も暗い時代」に入ったと指摘。「赤いメディア」とのレッテルを張られれば共産党を支援しているとみなされ、『りんご日報』は「非常に反共産主義的だ」と述べた。 黎氏も番組の中で「われわれ(りんご日報)は長年にわたって反共産主義を続けてきた」と表明した。その後、黎氏は番組内で「和理非派と勇武派に違いはない」という自身の考えを語り、逃亡犯条例の改正反対デモの際には「もし我々和理非派の人々が出て行かなければ、彼(政府)は、より勇武派の人々を孤立させるでしょう」 と述べた。

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