飲食店の生ゴミから電気・電気自動車を充電・洋上風力発電の技術者を育成 再エネ活用の施設が福岡に続々

私たちの暮らしに欠かせないエネルギー。地球環境への負荷が少ない「再生可能エネルギー」への注目が高まっています。福岡県内で21日、再生可能エネルギーを活用するための施設が、各地でお披露目されました。

福岡市西区で21日から本格稼働したこちらの施設。そこに集められていたのは。

■元木寛人フィールドキャスター

「このシールドの中にあるのが、福岡市内の飲食店などから出た大量の生ゴミです。本来は焼却処分されるものですが、これが電力に生まれ変わるということです。」

■福岡バイオフードリサイクル・中川浩臣社長

「集めてきた食品の廃棄物をリサイクルして、エネルギーを生みだす工場。」

集めた生ゴミを発酵させると『バイオガス』というガスが発生します。発生したバイオガスを、高さ11メートルのタンクに貯蔵します。

■元木フィールドキャスター

「青く大きな機械、こちらがガスエンジンの発電機です。食品から生まれたバイオガスがこの発電機を通して電気に変わるということです。」

この発電機の中で、バイオガスと空気を混ぜて燃やすことで電気が生まれるということです。

この施設で生ゴミから生み出される電力量は、年間最大で1万2000メガワットアワー、一般家庭の年間電力使用量に換算すると、およそ2700世帯分に相当します。

■中川社長

「我々が日々使っている電気は、実はこういう所からもできていると理解・浸透して、ゴミというものの考え方を変えていただきたい。」

一方、北九州市では再生可能エネルギーを活用する企業も。北九州市八幡西区にある自動車部品を製造するデンソー九州の北九州工場に、電気自動車の充電ステーションが設置されました。

急速充電ができ、24時間誰でも利用することができます。30分程度の充電で料金は660円です。

このステーションの電気は、再生可能エネルギーで生み出されています。

この工場ではもともと、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用していますが、充電ステーションの屋根には太陽光パネルを設置していて、そこから生み出される電気も活用するといいます。

デンソー九州は北九州市と脱炭素に向けた連携協定を締結していて、今回の充電ステーションの設置は、取り組みの一環です。

■デンソー九州・内村洋一郎社長

「電気自動車の部品を作るからには、その部品に使うエネルギーもきちんとグリーン化したい。車を造る上でも使う上でも、炭素を出さないようにするという強い思いでしています。」

そして、北九州市若松区の響灘では、国内最大規模の洋上風力発電所を建設する計画が進められています。来年度には25基の風車が稼働を始め、17万6000世帯分の電力をまかなう見込みです。

この洋上風力発電所をメンテナンスする技術者を育成するための施設が21日、公開されました。

陸上にいながら、洋上でのクレーンの操作や照明の点検などのトレーニングを積むことができる実践的な施設だということです。

■北拓 総務部・伊藤 嘉隆課長

「作業される方が安全に安心に作業ができるように、人材を育成して北九州市から発信していきたい。」

地球環境への負荷を減らすため活用が進む再生可能エネルギー。さまざまな角度から取り組みが進んでいます。

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