米の臨界前実験、核実験禁止条約に違反せず ロシアが見解

[モスクワ 21日 ロイター] - 米国が先週、核爆発を伴わない臨界前核実験を実施したことについて、ロシアは包括的核実験禁止条約(CTBT)に違反していないとの認識を示した。

米国家核安全保障局(NNSA)は、5月14日にネバダ州の核実験場で臨界前核実験を実施し、成功したと発表。

「NNSAは、米国の核弾頭の安全性、セキュリティー、信頼性、有効性を支える貴重な情報を収集するために、未臨界実験に依存している」とした上で「自立的な超臨界連鎖反応は形成されず、米国が1992年以来自らに課している核爆発を伴う核実験の一時停止に合致する」と説明した。

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、米国から提供された情報から判断すると、未臨界実験のロシアの理解に矛盾しないとし「CTBTや、米国の核爆発を伴う核実験の一時停止措置に違反するものではない」と述べた。

ロシアは昨年、CTBTの批准を撤回した。米国は条約に署名したが、批准はしていない。

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