裁判員制度が始まって15年 見えてきた成果と課題は 広島

市民が刑事裁判に参加する裁判員制度が始まって15年です。

広島でこれまでに審理された件数は328件。見えてきた成果と課題とは。

■50代 自営業

「ないです」「いい悪いというのを決めなくちゃいけない責任も重たくなるしあまり参加したくない」

■30代 専業主婦

「来たらやりたい」「女性的な立場からも判決を出したいから」

裁判員制度は、殺人などの重大な事件のみが対象で、去年、広島地裁では裁判員裁判で17人の判決が出され、裁判員は105人選出されました。選挙権のある県民およそ231万人の中から選ばれるとあって、選ばれる可能性は1%未満です。

(40)■最高裁判所 戸倉長官

「裁判員制度が導入以来おおむね安定的かつ順調に運営されています」

最高裁判所は、裁判員制度の導入により刑事裁判に対する国民の信頼を得る上で大きな意義があるとしています。

一方、参加する上で課題も…。裁判員の辞退率の高さです。辞退は原則できませんが、学生や仕事の都合で例外的に認められるケースがあります。今年は2月末時点で68.8%と15年で過去最高です。

■50代 自営業

「呼ばれたら困るかな」「仕事も休まなくてはいけない」

■19歳 専門学生

「専門学校なので休むと補講になるので、そこは苦しい部分はある」

裁判員裁判を担当した経験がある弁護士は日常的に裁判員に参加しやすい土壌作りが必要といいます。

■宮崎翔太弁護士

「裁判員制度にかける予算だとか、そういうところでもう少し手厚いものを求めていくことが必要だと一個人として思う」

市民の感覚を取り入れるために始まった裁判員裁判。参加を日常にするための模索はこれからも続きます。

【2024年5月21日 放送】

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