「福島復興」で1億円詐取 70代女性が被害、和歌山

和歌山県警本部

 和歌山県警は21日、和歌山市の70代女性が、福島復興の支援に取り組む大阪府のボランティア団体を名乗る男らから、保釈保証金の名目で計1億円をだまし取られたと発表した。県警は特殊詐欺事件として調べる。

 県警によると、2020年10月中旬、団体から自宅に「福島の復興の手伝いをしないか」と電話があった。その後、法務局をかたる別の男から「ボランティアには登録番号が必要」として実際には存在しない番号を教えられた。

 さらに団体側から「福島の学校に放射能測定機を贈るため、ボランティア番号が必要」と求められ、番号を団体に伝達。すると法務局の男から「不正取引に加担したことになる。何もしなければ逮捕、勾留される」などとして保釈保証金を要求された。

 女性は内容を信じ、20年11月上旬、自宅に来た法務局と取引のある宅配業者を名乗る男に1千万円を渡した。その後も法務局の男から「全財産の9割を預ける必要がある」などと言われ、22年6月までに、10回にわたり計1億円を渡した。

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