セルフレジ、重い荷物運び、免許返納…買い物に行きたいお年寄りの「困った」をサポート 支援スタッフが車で同行、阿久根市の「ドライブサロン」好評

同行スタッフと一緒にセルフレジで会計するドライブサロン参加者=阿久根市大丸町のスーパー

 鹿児島県阿久根市で、高齢者らが買い物や交流を楽しむ「ドライブサロン」が行われている。苦手な人の多いセルフレジでの会計や荷物の運搬を手伝うスタッフが付き添うとあって「出かけるのが楽しい」と好評だ。

 高齢化が進む同市大川地区の川畑中区で2020年に始まった。近くにスーパーや大型店がなく、運転免許返納で買い物に困る人が増えたことを受け、市と社会福祉協議会が発案。市内の聖園(みその)老人ホームが車と支援スタッフを提供し、月1回開いてきた。

 今年4月からは、近隣の中屋敷区の高齢者らも参加。市民ボランティア「ちょこっと世話やき隊」が店での買い物を手伝うようになった。

 16日は、2地区の7人が同市大丸町のスーパーへ。夏服や食品などを品定めし、セルフレジでは、手助けを受けながらもスムーズにポイントカードや商品を登録し、手際よく会計を済ませていた。大袋のペットフードや飲料など、重い物を買いだめする人もいた。

 川畑サミさん(82)は「セルフレジは苦手だが、一緒にしてくれる人がいるから心強い。荷物も運んでもらえるから助かる」と笑顔。世話やき隊の波留タミ子さん(77)は「喜んでもらえるのがうれしい。この取り組みがもっと広がるといい」と話していた。

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