中国の過剰生産能力、G7の共同対応が必要と米財務長官

David Lawder

[フランクフルト/ブリュッセル 21日 ロイター] - フランクフルトを訪れているイエレン米財務長官は21日、欧米は製造業を守るため、「戦略的かつ連携して」中国の産業政策に対応する必要があるとの考えを示した。

記者団に対し、主要7カ国(G7)財務相はクリーンエネルギー産業を支配しようとする中国の取り組みに対する米国の懸念を共有していると指摘。「グループとして中国に伝える方がより強力だ」と述べ、中国の過剰な工業生産能力にG7が共同で対応する必要があるとの認識を示した。

イタリア・ストレーザで今週開かれるG7財務相会議で中国の生産能力が焦点になると付け加えた。

欧米同盟の重要性に関する講演では、中国の過剰生産能力は欧米企業だけでなく新興国の産業の発展も脅かしていると指摘。「中国の産業政策は、この部屋に座っているわれわれには遠い問題のように思えるかもしれないが、戦略的かつ連携して対応しなければ、欧米および世界中の企業の存続が危うくなる可能性がある」と述べた。

イエレン氏はまた、凍結されたロシア資産からの収益を対ウクライナ大規模融資の裏付けとする計画について、G7財務相会議で合意するよう求めている。

一方、フォンデアライエン欧州委員長は21日、6月の欧州議会選を前にした討論会で、欧州連合(EU)は米国の中国に対する懸念の一部を共有しつつも、それとは異なる「より事情に合った」アプローチを持っていると述べた。

中国製品に対する米国の新たな関税に触れ、「米国は他の多くの製品にも一律の関税をかけているが、われわれは世界貿易機関(WTO)のルールにのっとって調査を開始した」とした。

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