「冠山峠道路の開通」で池田町が活性化 GWには中京中心に観光客2倍 新しい施設も完成【福井】

福井と岐阜の県境を走る国道417号で、福井県と岐阜県は繋がっています。これまでは車で通れない区間がありましたが、2023年11月、全長7.8キロの冠山峠道路が開通しました。事業化したのは20年前で、323億円をかけて整備しました。これにより岐阜県の揖斐川町から池田町までの所要時間が約1時間短縮されました。

無料で通れることもあって、開通当初から池田町には多くの中京の観光客が訪れていました。開通から半年。池田町内の開通効果は続いているのか、取材をすると変わらず多くの観光客の姿があり、新しい施設も完成しにぎわいを見せていました。

田島嘉晃アナウンサー:
「冠山峠道路の開通から半年が経ちました。ゴールデンウィークには中京方面から池田町に多くの観光客が立ち寄ったようです」

県内外の観光客が立ち寄る「まちの駅」で販売されているのは「わらび」や「かきもち」に「クロワッサン」、どれも池田町産です。ゴールデンウィークには、2023年と比べて2倍の客が訪れ、売り上げも約1.7倍に増えました。

まちの駅では、「ゴールデンウィークはこんなに人がくるのかと思った。車のナンバーを見ると、中京圏の岐阜県や愛知県、三重県などが目立った。また逆に、石川や福井の方から中京圏に向かう客が結構いた」と話しています。

岐阜から来た客は「わらびを買った。たくさんいいのがある。帰りに冠山トンネルを通りながら、車の中でかきもちをかじる」と話します。

店内にある飲食コーナーも大盛況です。大野からきた人は「池田町のポン菓子がのっているソフトクリームがあったので食べてみようと思って…普通のソフトクリームじゃない。冠山峠道路を通るのは初めてで、岐阜県の大垣が近いので一度行ってみようと思って」と話します。

まちの駅では、冠山峠道路の開通以降新商品の開発に力を入れ、池田町産の米粉を使った硬い煎餅など、新商品が続々登場。「ゴールデンウィークの午後2時くらいになると品切れする商品が多くて、せっかく来てもらったのに何もないのは申し訳ない。出来る限り池田の中で商品を開発していきたい」と意欲的です。

まちの駅から車で5分のところに、観光交流施設「道のオアシス フォーシーズンテラス」が4月末にオープンしました。取材に行くと、駐車場は車でいっぱいで、岐阜、名古屋ナンバーが多く見られました。

岐阜から来た人は「車で冠山峠道路ができたので1回来てみようと思った。自然はいいですよ」と話します。

約2.5ヘクタールの敷地にある施設では、地元産の総菜などが販売されているほか、目の前に広がる自然を見ながら食べることができます。また、地元の農産物を使った食事も提供し、池田町産の豆腐でできた厚揚げは、できたてを味わえます。客からは「厚揚げは柔らかくて揚げたて。遊歩道が気持ち良かった」と好評です。

道のオアシスの周辺は遊歩道が整備されていて、川のすぐ側まで近づいて、辺りを散策することができます。狙いは、ここを観光の拠点として町内全体の周遊を促すことです。道のオアシスでは「ここがハブで、地域の観光事業者、飲食店、町内の観光サービスとのつなぎ役にもなれる。町内の事業者や食材に興味を持ってもらって、関係人口づくりにもつながっていくといい」と話しています。

道のオアシス周辺には、国道417号沿いに「かずら橋」「ツリーピクニックアドベンチャーいけだ」「能面美術館」など、多くの観光施設が点在し、それをつなぐのが道のオアシスの役割です。点と点が線で結ばれ、町が活性化するのかが注目されます。

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