富士山“映えスポット”に「黒幕」設置で異変…コンビニ駐車場にあふれかえった観光客 「もうちょっとうまい案が…」地元の賛否は?

21日7時の山梨・富士河口湖町。
“コンビニ富士”の前には、最後の撮影チャンスを逃すまいと、外国人観光客らが集まっていた。

多くの報道陣も集まっていて、外国からの記者の姿も確認できる。
海外メディアも取材に訪れる“国際的関心事”となった『コンビニ富士騒動』。
ついに“黒幕設置の日”を迎えた。

富士山“映えスポット”に黒幕が設置完了…異変も?

設置作業が続く中、外国人観光客は富士山を望む“ラストチャンスを逃すまい”とばかりに撮影を続けていた。

この場所ではコンビニ越しの雄大な富士山が“映える”と話題になる一方、道路への飛び出しや、ゴミのポイ捨てなどの「迷惑行為」が深刻化。そして21日。

広瀬修一キャスター:
徐々に黒幕が設置され初めています。かなり大きい幕が、2枚張られている感じですね。

道路の反対側から富士山を見えなくするための巨大な黒幕を設置する仕上げの作業が行われたのだ。作業は午前11時すぎに完了。“コンビニ富士”の絶景は黒く遮断された。

広瀬修一キャスター:
向こう側にローソンがあるんですが、目を凝らしてようやく透かしてみれば青い看板が見えますが、富士山は全く見えません。

楽しみにしていた“映えスポット”の変貌に、観光客はガッカリした様子。

オーストラリアからの観光客:
馬鹿げてるよ、なんであんな工事するんだよ。

そして黒幕の設置後、現場では異変が起きた。

広瀬修一キャスター:
いま黒幕の設置がほぼ完了したところですが、コンビニエンスストア側の敷地に多くの観光客が
集まってきました。写真撮影を行っています。

多くの外国人観光客がコンビニの駐車場になだれ込み、撮影を開始。中には、富士山に背を向け、できたての黒幕を写真に収める人もいた。

広瀬修一キャスター:
黒幕を撮影する方もいます。コンビニ側から黒幕を撮影しています。

前を通る路線バスの中からも“パシャリ”です。撮影する人で溢れかえったコンビニの駐車場では、買い物を終えた車が出られなくなるなど、新たなトラブルも発生していた。

黒幕設置で解決となるか…地元の声は?

さらにカメラが捉えたのは、こんな場面。

広瀬修一キャスター:
黒幕の前まで、車道を渡ってきた観光客が撮影しています。

道路を渡って、黒幕の前に立ち、車道で撮影。これは危険だ。

一方で、設置された黒幕のすぐ脇から、以前と同じような角度でコンビニ富士を撮影する観光客もいた。黒幕の設置は、問題の解決策となるのか。地元の人の意見も割れていた。

地元の人:
とても危ない、非常に邪魔な思いをしていて、近所に学校もあるので賛成です。

地元の人:
外国のお客さんに対して、せっかくここを目的地に来てもらっているのに、もうちょっとうまい案がないかなっていうのはある。

付近に店を構える天ぷら料理店の店長も、設置された黒幕を、複雑な思いで見つめていた。

冨士天ぷらいだ天河口湖本店 和田公介店長:
インバウンドで潤っている町ではあります。(黒幕の)ポールが立った時に、一時的に3割から4割くらいお客さんが減って、閑散とする時期がありました。

コンビニ富士の変貌で外国人観光客が減り、売り上げに影響するかもしれないという不安は決して小さくないようだ。

冨士天ぷらいだ天河口湖本店 和田公介店長:
以前みたいにバーンって直接富士山がすごいいい眺めで見れてたのが、やはり写真撮る外国人さんは、ここには興味持たなくなる。やっぱり、お客さんも来なくなるんじゃないか、大打撃かなと。

“コンビニ富士”を隠す『黒幕』は完成したものの、騒動の幕はまだ下りそうにない。

地元の人31人にアンケート 賛成16人・反対15人

この巨大な黒幕について、地元の人はどう受け止めているのか?「イット!」では、地元の方31人にアンケートを行った。

黒幕設置について、賛成は16人、反対は15人で、意見はほぼ真っ二つに分かれる結果になった。

賛成の理由については「普通に歩道を歩きたい」「車に乗ってる時、急に飛び出してきて怖い」という切実な声があった。一方、反対の理由は「車道に飛び出す人が増えるのではないか」「根本的な解決にはならない」という意見があった。

「観光」なのか「景色」なのか、それとも「安全」なのか。日本各地で考えることになりそうだ。
(「イット!」5月21日放送より)

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