7月期の夏ドラマが「旧ジャニ祭り」で賛否…民放各局との変わらぬ蜜月関係

ジャニーズ性加害問題の影響により、旧ジャニーズ事務所に所属していたタレントたちはCM契約が激減するなどの煽りを受けた。新会社「STARTO ENTERTAINMENT」に移行してからも状況はあまり改善せず、スポンサーへの配慮でテレビからも排除されるのではと懸念されていた。ところが、7月にスタートする夏ドラマは「旧ジャニ祭り」状態になっており、テレビ業界と旧ジャニーズの蜜月関係の根深さを浮き彫りにしている。

7月期のゴールデン・プライム帯のドラマでは、Snow Manの目黒蓮がフジテレビ系『海のはじまり』で月9初主演を果たす。杉野遥亮が主演する月曜夜10時枠のフジ系『マウンテンドクター』には、Snow Manの向井康二がレギュラー出演。さらに、Hey! Say! JUMPの山田涼介がフジ系の金曜夜9時枠で放送される『ビリオン×スクール(仮)』で主演を担当する。

TBS系では、嵐の櫻井翔が水川あさみ主演の『笑うマトリョーシカ』で22年ぶりに助演として出演。同じ嵐の二宮和也(昨年10月に独立)は、人気ドラマの続編である日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』に主演する。「胸キュン枠」として知られる火曜ドラマ枠では、松本若菜が主演する『西園寺さんは家事をしない』でSixTONESの松村北斗がメインキャストの一人を務める。

旧ジャニーズタレントの新規起用を見合わせる方針を示していたテレビ東京でも、Sexy Zone(現timelesz)を卒業した中島健人が金曜夜8時枠の『しょせん他人事(ひとごと)ですから ~とある弁護士の本音の仕事~』で、同局ドラマ初出演にして初主演を飾ることが決定した。

7月期のドラマは独立した二宮も含めると、現時点で旧ジャニーズ系タレントの主演が4本、助演でのレギュラー出演が3本。「旧ジャニ祭り」といえる状況で、今後の発表でさらに増える可能性もある。

NHKはいまだにSTARTO社のタレントの新規起用を見送る立場を維持しているが、民放はバラエティなどで変わらずに起用。ドラマはどうなるかと注目されていたが、むしろ以前よりも起用が増加したような印象だ。

これに対して、ネット上のファンからは「メンツ強すぎて最高」「旧ジャニ時代も含めて、今までで最強の布陣では」「ベテラン、中堅、若手がまんべんなくドラマ出るのすごい」「ドラマ観るので忙しくなりそう」などと歓喜の声が上がった。

その一方で「結局、テレビってジャニーズ頼みなんだね」「ジャニーズ依存からまったく抜け出せてない」「結局、ほとぼりが冷め始めたら元通りかよ」「まだ被害補償が解決してないのにドラマが旧ジャニ祭りって早くない?」といった冷めた意見も飛び交い、旧ジャニーズ系タレントのドラマ起用をめぐり賛否両論が起きているようだ。

本来であれば、旧ジャニ-ズと資本関係のない新会社に移行したのだから起用に問題はないともいえるが、ファンクラブ運営はSMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)が継続するなど、新会社と旧会社の切り分けが完全にできていない部分があり、それが事態を複雑にしているところもあるようだ。

「旧ジャニ祭り」で夏ドラマが盛り上がることになるのか、それとも視聴者にうんざりされてしまうのか。その結果によっては、旧ジャニーズ系タレントたちが早々に以前のような勢いを取り戻す可能性もありそうだ。

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