アドビの「Lightroom」に「生成AI削除」など新機能、モバイル版はUI刷新

by 北川 研斗

アドビは、写真編集ソフトウェアの「Lightroom」でAIによる編集機能を追加した。本日21日から順次、利用できるようになる。

生成AIで映りこみを削除

同社のAI機能「Firefly」を取り入れた「生成AI削除」が追加された。デスクトップ版のほか、モバイル版とWeb版、Lightroom Classicで数百万人を対象に早期アクセス版が順次、公開される。

写ってはいけない人などを写真から消すことができる。「ピクセルレベルでマッチする」画像が生成されることから、高品質かつリアリスティックな写真を実現できるという。従来、Lightroomでも同様の機能があったが、削除するコンテンツが小さく背景が単純な場合にしか有効に活用できなかったという。

周囲の素材から背景を生み出していた従来の機能と異なり、生成AI削除ではAIの処理能力により、削除したコンテンツの塗りつぶしの精度を高めた。選択範囲が正確でなくても修正する領域をAIが認識できる。AIが作りこんだ背景は「別の結果」として複数パターンを確認でき、最適な結果を選んで「完了」ボタンを押せば修正できる。

手軽にぼかし機能

2023年からベータ版が提供されてきた「ぼかし(レンズ)」ツールには、新しいプリセットが追加された。ワンクリックで手軽に写真にぼかし効果を入れることができる。本日から一般提供が開始される。

ぼかし(レンズ)は、スライダーを動かすことで背景を手軽にぼかせる機能。ピントをどこにするかも自由に選ぶことができ、被写界深度の調整機能や奥行を可視化してピントがあっているところを視覚的に確認することもできる。

新たに「プリセット」の「アダプティブ:背景をぼかす」から被写体を自動で認識して手軽に背景をぼかせる機能が追加された。「強く」や「泡」「リング」などがあり、選ぶだけでぼかしの形を好みにできる。

ソニー製カメラのテザリングにも対応、モバイル版はUI刷新

このほか、ソニー製のミラーレスカメラ「α7 IV」や「α7R V」などのテザリングをサポート。モバイル版の編集画面のユーザーインターフェイスも刷新した。最もよく使われる機能の表示を優先するかたちに変化しており、より直感的な操作が可能になるとしている。

また、HDRの最適化ではより明るいハイライトや深いシャドウ、鮮やかな色で写真を編集できるようになったという。モバイル版とデスクトップ版では、フォトライブラリーへの即時アクセスが可能になり、クラウドにアップせずにローカルのファイルを編集できるようになった。

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